こんにちは。個別教師Campライターの工藤です。明日はいよいよ都立高校の合格発表日です。中学受験はすでに終了し、大学受験も合格発表を待っている人達、すでに進学先が決定した人たち、国公立大学の後期試験に向け準備をしている人達がいることでしょう。
日本の入試制度的には、進学先が決まってから、実際に通うようになるまでに1~2か月程度のタイムラグがあります。推薦入試を突破した人達は、もっと早い時期から進学先が決まっています。一見すると暇な時期のように見えますが、しっかりと次に向けた準備をしておくことは大切です。今回は、志望校合格(進学先決定)後から実際に入学し通学するようになるまでの間、どのようなことをすべきか書いていきます。
なぜ志望校合格後も準備が必要なのか?
なぜ受験勉強もようやく終わったというのに勉強を継続して欲しいのか、というと、それは「進学先で苦労しないように」するために他なりません。そもそも、入試は短期的には一つのゴール・目標に違いありませんが、長期的には(大きく言うと、人生全体で見れば)ゴールではなく通過点です。いわゆる「マイルストーン」というものです。もちろん皆さんが受験勉強・志望校合格に向けて努力してきたことを過小評価しているわけではありませんが、要は「合格して終わり」のものではないということです。
これまで公立の小学校・中学校に通っていた皆さんならわかると思いますが、これまではクラス・学年でも学力の格差がかなりあったと思います。それは、公立小中学校の区分は基本的に住んでいる地域によるからです。しかし、入試を経て入学する学校というのは、多かれ少なかれ安定した学力を持った人たちばかりで構成されています。当然、入試の成績が1番で入学した人も、ギリギリ合格ラインに到達した人もいるとはいえ、合格できない人もいるのがほとんどの入試です。それだけに、これまでと同じ感覚でいると痛い目を見ることがあります。
新中学1年生に準備して欲しいこと
入学前課題をこなすこと
中学受験を突破して晴れて合格、入学手続きを済ませたと思ったら、大量の「入学前課題」が出された……。思わずげんなりした人もいるかもしれませんが、まずはこれをこなしましょう。
中学校側としても、必要があって入学前課題を出しています。まずここをしっかり守って期限内に出せるかどうかで、「自分の中の宿題に対する意識」が変わってきます。きっちり出すようにしましょう。
入学前課題は予習内容のことが多いと思いますので、ある意味市販教材を買わずに勉強できるチャンスでもあります。ご家庭でしっかり取り組んでください。
英語・数学の予習
予習の中でも力を入れて欲しいのは英語と数学です。ありきたりではありますが、特に注力してほしい内容を述べていきます。
英語
まず、英語の諸学者の場合は「アルファベットの大文字・小文字を確実に見分けられるよう書けること」「英語の罫線ノートの4本線(とくに赤線)にそってアルファベットが書けること」を大切にしてください。大した内容に見えなくても、今後のスペルミスや英作文での減点、板書をするときのスピードなどに関わりますから大切です。漢字と違って26種類×大小2パターン=52パターンを確実にするだけですので、しっかり身に付けてください。
英語にある程度親しんだ経験のある人なら、文法や単語の予習をしておきましょう。中学校の学習指導要領が改訂され、難しい文法事項も中学内容に含まれてきています。それだけ進度も早くなる可能性がありますから、be動詞の肯定・否定・疑問文や人称代名詞の表などは頭にいれておくと良いでしょう。
数学
数学はとくに「代数分野」に力を入れてください。中1の初めですと「正負の数」「文字と式」「一次方程式」と呼ばれるところです。どのような進度であれ確実に中1のうちに習う部分であり、数学の代数分野の基本の「き」になるところです。あまり時間がなければ文章題を飛ばしても構わないと思いますので、確実に計算問題だけは解けるようにしておくと良いでしょう。
「幾何分野」(図形)は、最初のうちは物凄く新しい概念がでてくる、ということはありません。これまで図形問題が苦手だった人などは、基本的な性質や公式、角度問題などは復習しておいても損はないでしょう。しかし、代数分野よりは比重が低いと思います。
新高校1年生に準備して欲しいこと
入学前課題をこなすこと
これは新中1の皆さんと共通です。しかし、入学前課題の内容によって、高校側のスタンスが何となく見えてきます。ガンガン先に進んでいくつもりで入学前課題でも予習事項が出てきているのか、中学校の基本問題の復習などを解かせて基礎を大事にしているのか、などです。
いずれにせよ、もちろん入学前課題はこなして期日通りに提出してください。ちなみに、大学入試の総合型選抜や指定校推薦(いわゆる推薦入試)は、高校3年間の成績を使うことがほとんどです。1年生だからといって気を抜かないようにしてください。
中学校内容で不安のある教科の復習
高校での勉強は、いずれも中学校までの学習内容の積み重ねから出来ています。中学校でも「1次方程式」「連立方程式」が解けない人は「1次関数」や「2次方程式」が苦手だった人がいたはずです。
高校入試を突破しているので一定程度の学力はあると思いますが、自分なりに不安がある単元などは、基礎問題レベルでも構いませんので復習しておいてください。
数学Ⅰ・数学Aの予習
高校になると中学校よりも教科数が増えます。例えば、英語も「英語表現」「コミュニケーション英語」など複数に分かれることが多いです。その中でも「数学Ⅰ」と「数学A」が分離することで、数学が苦手な人はもちろん、中学数学までは得意だった人も「ついていくのが大変……」と感じることが増えると思います。
できれば数学Ⅰ・数学Aの最初は予習しておくと良いでしょう。高校のカリキュラム(シラバス)が公開されていればそれを参考にしてください。数学Ⅰは3乗の公式が出てくるものの、比較的とっつきやすいと思いますのでぜひ。高校によっては、1年生のうちはどちらかしか学習しない、あるいは数学Ⅰ・Ⅱと数学Aまでしかしない学校もあります。確認してみましょう。
英単語学習を継続すること
英語については、中学までに習った文法・単語が変わってしまうことはありません。より深くまで突っ込んだ文法表現や規則、イディオム・熟語表現や長い文章と格闘していくことになります。
このとき、いきなり文法事項がすっと抜けてしまうことはないと思いますが、意外とあっという間に忘れてしまうのが単語です。「受験勉強のときはあんなにやったのに!」「これ、入試問題で見たな……。でも、思い出せない」ということがないように、単語はぜひ継続してください。高校入学後に新しい単語帳が配布されることもあると思うので、まずはお手持ちの教材で十分です。
毎日の学習習慣の継続が大切です!
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工藤
【略歴】
自らも個別指導塾に通い、私立中・国公立大に合格。個別指導塾の講師として働き、就職。個別指導塾の校長を務め、現在は個別教師Camp校長。個別指導一筋で8年間指導。
都立南多摩中、区立九段中、私立桐朋中、明大中野八王子中など、高校・大学受験でも都立国分寺高校、上智大学、法政大学などに合格者を輩出。
指導経験を活かして、みなさんに有益な情報を発信します。