こんにちは、個別教師Campライターの後藤です。
今回は「留学してみたい!」という中学生、高校生のみなさんに向けて、留学はいつからできるのか、準備はどうしたらいいか、また学生時代に留学することのメリット・デメリットなどをまとめていきたいと思います。
小学生・中学生は留学できる?
ご両親の仕事の都合により小・中学校を家族とともに海外で過ごす場合とは別に、小学生、中学生の子どもが単身留学することはできるのでしょうか?
「小学生から海外留学?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、グローバル化が進み、英語教育の改革が進む今、海外留学に関心を示す家庭は増えているようです。日本では義務教育期間中になる小学生、中学生でも、学校や教育委員会と調整を図った上で留学に臨むことは可能です。
高校生の留学事情
増えているとはいえ、小、中学生でお父さん、お母さんと離れ、単身留学する人はそう多くはありません。やはりボリュームゾーンとなってくるのは高校生や大学生。しかし、留学するための準備期間としておよそ1年半~2年はみておくべきです。
つまり「高校生のうちに留学してみたい」と思うのであれば、中学生のうちから準備しておくことが大切です。「英語の勉強を頑張る」「パスポートを取る」など具体的な準備の前にまず、十分な心の準備も必要ですね。
留学の種類
海外留学を期間で分けると、夏休みや冬休み、春休みなどを利用した短期留学と、1学期から1年以上に及ぶ長期留学(進学)の2タイプがあります。
また留学先の学校も、寮の施設を持ち、学生を24時間体制でサポートすることができる「ボーディングスクール」や、現地でホームステイをしながら通う公立校など種類があります。さらに留学先となる国もイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、フィリピンなど様々です。英語圏以外の国という選択肢もあります。
ただビザなどの問題もあるので、何歳でもどこの国にでも留学可能という訳ではもちろんありません。自分が何を目的として留学したいのかによって、選ぶべき留学期間や国、出発時期なども変わってきます。
費用の問題
無視できないのは留学にかかってくる費用の問題です。
1年以上の長期留学の場合、ホームステイで公立校に通うと年間300~400万ほど、私立のボーディングスクールに通うと、国によってはその倍以上かかることもあります。
学生の場合、家族の理解を得られないと自分の力だけでは留学することはできませんが、留学にも奨学金制度があります。各自治体から補助を受けられる場合もありますので、もし留学したいと本気で思うなら、そういったことまで調べてからご両親に相談するのが良いでしょう。
海外留学の目的
少し話は戻りますが、ここまで読んでくれたみなさんの留学したい理由はなんでしょうか?
もし「楽しそう、人と違う経験をしてみたい、英語が話せるようになりたい」などしか思いつかないようだったら、もう少し深く考えてみましょう!
限られた時間の中で、できる限りたくさんの経験をしてくるためには、留学期間中の目標だけではなく、日本にいる間から目標をしっかり持って、現地での時間の過ごし方や、現地で頑張りたいことを明確にしておくことが大切です。
留学と大学入試
高校生で留学すると、帰国後に「大学入試」が控えています。大学の入試形態は様々ですので、総合型選抜などを利用し、留学経験や英語力を生かして受験する方法も選べますが、そうではなく私立大学でも一般入試での合格を目指す場合や、国公立大学を志望するのであれば、入試科目を帰国後に学習し直さなければいけません。
例えば、高校1年生や2年生のときに1年間留学した場合、帰国後は1年下の学年に入り、合計4年間で日本の高校を卒業するか、そのまま元の学年に戻り3年間で卒業するかは、在籍高校と相談し基本的には自分で選んで決められます。大学進学を目指すのであれば、留学前の学年(自分の年齢より一つ下)に戻り、学び直すのがおすすめです。
高校3年生で留学した場合は、帰国後もう1回日本の高校で3年生に戻るか、日本の高校には戻らず卒業し、大学進学を目指す浪人生のような形もとれます。3年生の場合は高校のカリキュラム的に授業数自体がそもそも少ないケースもあり、大学受験までの残り日数を考えても、高校に戻らない方が効率的と考える人も多いです。
高校生で留学するデメリット
同い年の友人からは1年遅れて大学進学することになったり、日本に戻ってから1つ下の学年に入ることに抵抗を感じたりするかもしれません。しかし、高校時代の1年の遅れは「遅れ」というほどのことでもないと、大人になったらきっとそう思えます。
留学すると言語も文化も違う国で生活することになるわけですから、日本に戻ってから違う学年に入ることも悩むような問題でもないはずです。やはり一番の懸念事項は「留学後の進路」だと思います。
長期間日本以外の国で過ごすと、日本語を使う機会がなくなります。むしろなくす方が留学中は良い過ごし方ができると思います。同じ学校に日本人の留学生がいたとしても英語でコミュニケーションを取ることを心がけましょう。そうやって過ごして帰国すると、まず漢字が以前より書けなくなっています。
漢字以外でも、英語以外の科目はほぼゼロから再スタートと思っておいた方が良いです。「留学と大学入試」の項目でも述べたように、大学受験に向けては学び直すつもりでいた方が良いと思います。
高校生で留学するメリット
私自身高校時代に留学を経験し、留学して良かったと思っているため、少々偏った意見になってしまいますが、正直デメリットとしてあげたことも、留学で経験できることの多さ、大きさを考えるとデメリットだともあまり思いません。
確かに大学入試に向けては苦労することがありますが、帰国後の努力で自分の希望の進路に進むことはできると思います。大学生ではなく、高校生という年齢で親元を離れ、海外で生活することで得られるものも多いです。
コロナ禍では以前より留学する機会が減ってしまっていると思いますが、もしその機会が得られるのであれば、ぜひ挑戦してみてほしいと思います。
後藤幸奈
【略歴】
個別ena校長を務め、中学受験では都立武蔵・三鷹・富士・立川国際・南多摩中、私立日大二中、明大中野八王子中、高校・大学受験では都立国立・立川・八王子東・国分寺高校、明治大学、法政大学、埼玉県立大学など多くの合格者を輩出。
高校時代は日本とアメリカで過ごし、ダブルディプロマを取得。
英語教育や帰国生入試を中心に幅広く受験や学習情報を発信していきます。