こんにちは、個別教師Campライターの後藤です。
季節はもうすぐ秋です。
秋と言えば、食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…と色々ありますが、受験生にとっては過去問の秋ではないでしょうか!
「そもそも同じ問題は絶対出ないのに過去問って何のために解くの?」
「都立自校作成校は難しいって聞くけれど、過去問はいつから解くべき?」
今回はそんな疑問にお答えしていきます!
【都立高校の過去問の使い方と時期】過去問を解くことはなぜ必要?
同じ問題が本番では出ないのに、過去問はなぜ解くのかと疑問に思ったことがある人もいると思います。
そんな気持ちのまま解いても効果が半減してしまいます。まずは目的をはっきりさせるために、「過去問はなんのために解くのか」をここで確認していきましょう。
①問題傾向を知る→今後の対策を立てる
入試問題から、その学校がどのような生徒を求めているかがわかります。
中学入試や私立高の方が顕著ですが、都立でも自校作成校に分類される学校は、各高校が独自で入試問題を作成するためその傾向が強くなります。
実際の入試問題を解くことで、まずは「どんな問題が出るのか」を知ることができます。そして、その問題を解くために現時点で自分に足りないものがわかります。
例えば英語を解いて50点しか取れなかった場合、
「時間が全然足りなかった」と感じるなら、なぜ時間切れになってしまったのかまで考えましょう。
「単語が難しくて文章の内容を掴むのに時間がかかった」のであれば、自分の今の単語量では対応できない試験だということが分かります。
もっと多くの単語を覚えないといけないということ、また今以上に難しい単語にも手を出さないといけないことがわかります。
また、意味を知っている単語でもそれでは内容が読み取れないときもあります。
例えば「a piece of cake」というイディオムが出てきたとき「え、急にケーキ?!食べたいのかな?」となってしまうかもしれません。
イディオムがたくさん使われる文章が出題される傾向の試験なら、それも対策しておかないといけませんね。
②時間配分などを身に付ける
過去問で大問構成や配点、問題量を確認することができます。
例えば、自校作成校の英語は2~3題の長文問題で構成されている学校がほとんどです。
リスニングを除く試験時間は40分!ですので、大問2題構成であれば単純に20分、20分ですが、
それで何年度分か解いていき、「最初の大問は15分で解ける」となれば、本番も15分、25分の配分にして自分のペースで解き進めることができます。
また、時間配分が身に着くと配点が高い記述問題を確実に解くために時間を残しておく余裕も作り出せます。
さらに、解答用紙の形式も確認しておくことで、本番も落ち着いて試験に臨めます。
③実践力を養う
志望校の過去問を何年度分も遡って解くことで、先述の時間配分はもちろん、問題に取り組む順序や問題の取捨選択など、模試やテキストでは測ることのできない実戦力を養うことができます。
実践力とは、自分の持っている力を本番で発揮できる力です。
そのためには本番を想定し、同じ条件で挑むことが大切です。
1年度分過去問を手つかずで残しておき、入試間近になったら日曜など休日を利用して、試験当日と同じ時間に起き、試験開始時刻通りに取り組むのもおススメです。
過去問を解く目的がわかったところで、次は過去問を解いていく時期についてです。
【都立高校の過去問の使い方と時期】過去問はいつから解く?~都立自校作成校の場合~
今回は進学指導重点校の日比谷、国立、西、戸山、青山、立川、八王子東と、
進学指導特別推進校のうち新宿、国分寺、墨田川、国際の合計11校の過去問を解く時期について説明します。
まず、都立高校の入試は全学校同じ問題となりますが、上記の11校のうち国際高校を除く10校は、数学・国語・英語の3科目のみ高校独自の問題によって入試が行われます。
(国際高校は英語のみ独自問題で、数学と国語は共通問題です。)
この11校に限った話ではなく、高校受験を迎えるみなさんは、夏休みが終わった9月から過去問演習を始めるのが高校入試の標準パターンと覚えておきましょう。
もうすぐ9月に入りますが、入試問題は中学3年間の学習内容全体から出題されることを考えると、通常はまだ学習していない単元がたくさん残っている状態で、解けない問題が多いはずです。
それではせっかくの演習が全く生きてきませんね。
そこでまず「未習単元をなくす」というのが第一優先となります。
最近は公立中学校でも1月以降は入試まで演習授業をしているところも多いと聞きます。
つまり冬休み前には中学校全範囲が終わるところもあるということですが、「冬休みから過去問演習スタート」は少し遅いです。
つまり理想的な過去問演習のスタート時期は「夏休みまでに先取り学習を進め未習単元を無くしておき、9月から」ということですが、
そうでない場合はまず「今まで学習してきたことをしっかり復習する」「未習単元をなくす」ことを優先して進め、
「遅くても11月の2学期期末テストが終わったら」を目安に過去問演習をスタートさせましょう。
9月よりスタートが遅くなっても、きちんと計画的にやれば過去問演習の成果を十分生かすことができます。
【都立高校の過去問の使い方と時期】最初は合格点が取れなくて大丈夫!
志望校の過去問題を初めて解いて点数が取れることはあまりありません。
点数が低くても「自分には無理だ」と思わないで下さい。
本番まで時間はまだあります。その間に勉強すべきことを知るのが過去問題を解く目的でしたよね。
対策を立てて勉強を続けながら、並行して過去問を1年1年解いていくうちにだんだん点数は上がってきます。
過去問を有効活用して、合格を勝ち取りましょう!
後藤幸奈
【略歴】
個別ena校長を務め、中学受験では都立武蔵・三鷹・富士・立川国際・南多摩中、私立日大二中、明大中野八王子中、高校・大学受験では都立国立・立川・八王子東・国分寺高校、明治大学、法政大学、埼玉県立大学など多くの合格者を輩出。
高校時代は日本とアメリカで過ごし、ダブルディプロマを取得。
英語教育や帰国生入試を中心に幅広く受験や学習情報を発信していきます。