こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
都立高推薦も近づいてきました(R5年1月26・27日)。仮内申が出て、三者面談も終わり、都立高の推薦受験を決めた人もいることでしょう。これまでも個別教師Campのブログでは、都立高推薦対策について書かせてもらっています。そちらもチェックしてみて下さい。
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今回は表題の通り、推薦入試で提出する「自己PRカード」の書き方について書いていきます。ぜひお付き合いのほどを。
「自己PRカード」とは。
「自己PRカード」とは、都立高校の推薦入試(推薦に基づく選抜)において提出が義務づけられる書類です。都立高推薦では、一般推薦、文化・スポーツ等特別推薦、理数等特別推薦とありますが、そのすべての推薦入試で提出しなければいけません。
「自己PRカード」は以下の東京都教育委員会HPからダウンロードできます。リンクからご確認下さい。
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「令和5年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目」において志願者が作成する様式について
さて、この「自己PRカード」ですが、どのような扱いになるのかは、まず推薦入試の選抜方法を確認しておきましょう。
都立高校推薦入試の検査方法
都立高の推薦入試の内容から見てみます。
まず、一般推薦は志願者全員に「個人面接」が実施されます。それ以外では、「小論文」「作文」「実技検査」やその他については、各学校が設定するものから、各都立高校長が定めたその中のいずれか一つ以上の検 査を実施するとなっています。
また、 特別推薦も志願者全員に「個人面接」かまたは「集団面接」及び「実技検査」が実施されます。その他の検査の内容については各都立高校長が定めるとなっています。
特別推薦(理数)では 科学分野等の研究に関するレポートに関する「口頭試問」と「個人面接」及び「小論文」の検査が実施されます。
「自己PRカード」は面接用の書類
前段で書いたように推薦のすべてで「面接」が実施されます。「自己PRカード」はその際の『資料』として利用されます。あくまで『資料』です。安心して下さい。
自己PRカードは、点数化しない。なお、個人面接に当たっては、自己PRカードを面接資料として活用する。
「令和5年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱 第1-7 選考 第1-7-1 一般推薦の選考(4)」より抜粋
得点化される面接の「資料」という点を忘れないこと
「自己PRカード」自体は得点化されませんが、そのカードを資料として面接が実施されます。つまり直接的に得点化されなくとも、その内容は得点に結びつくことに変わりありません。推薦入試は、「評定(内申)」と「面接」等の得点で合格が決まります。「面接」は不慣れな人が多いと思いますが、「自己PRカード」にどのようなことを書くかは「面接」に対する準備でもあるわけですね。
「自己PRカード」の書き方は?
「自己PRカード」には所定の書式があります。それぞれの項目で書く内容で、質問に対する対策も取ることができます。質問がある程度想定できれば受験する皆さんの気持ちもかなり違うはずです。では項目ごとにアドバイスさせてもらいます。
①「志望理由について」
設問の中に「本校の期待する生徒の姿」とあります。これは各高校とも公表しています。これを踏まえてどう書くかを考えると書きやすくなるでしょう。「本校の期待する生徒の姿」と言うことは、つまり、“こういう生徒に入学してほしい”といった“高校側が求める生徒像”が明確に示されています。
と言うことは、“求める生徒像”を意識して書くことは大事です。しかし、そこを意識しすぎると皆さんの本音の部分、その高校を皆さん自身が選んだ最初の大切な気持ちが置き去りになるかも知れません。そうなると、『作られた志望理由』となってしまいます。その内容で面接での質問にしっかりと答えられますか?ですから、まずは思いつくままに下書きしてみて下さい。自分の気持ちに正直に、その高校に行きたいと思ったことをありのままに。
そして次に「本校の期待する生徒の姿」を熟読し、高校側の意図をしっかりと理解し、初めに書いた“皆さんの本音”と照らし合わせながらまとめてみるのです。
参考→東京都教育委員会HP「本校の期待する生徒の姿」(全日制課程)
参考→東京都教育委員会HP「本校の期待する生徒の姿」(定時制課程・通信制課程)
②「中学校生活の中で得たことについて」
皆さんが過ごしてきた、学級活動や生徒会活動、部活でのことを思い出してみて下さい。他にもボランティア活動、資格や検定の取得体験など、頑張ってきたことはたくさんあると思います。ここでもやはり、最初から“かっこよく”書こうと思わずに、思いつくまま“兼好法師の徒然草”のようにでも書き連ねてみて下さい。そうやって列挙してくと一番書ける活動が見えてくると思います。
そしてそこから何を学んだかを深堀りしていきましょう。ここで注意するのは、「体験したこと」から「具体的に」書くことが求められています。普段の課題作文であれば、体験等をまとめて、簡潔に端的な表現で書くことが良しとされますが、ここでは具体的に体験から得たことを書くのです。何を書くかをしっかりと吟味してからまとめて行きたいですね。エピソードが入ると面接官にも伝わりやすいでしょう。
③「高等学校卒業後の進路について」
「将来の夢や目標、将来なりたい職業など、高校卒業後の進路について自分が考えていることを具体的に」と言われて、将来の希望が決まっている人は書きやすいでしょうが、まだ何になりたいか分からない人も多いかと思います。ではそういった時にどう書けばいいのか。一番の悩みですね。適当に書いて面接で突っ込まれたらと想像したら冷や汗ものです。
もし具体的な夢が決まっていない人は、嘘を書く必要はありません。ただどういった大人になりたいか。どういう人でいたいかなどはぼんやりとでも描けるのではないですか。まずはそこからまとめてみてはどうでしょう。人との関わることが好きな人は、そういった職業のことを調べてみるとか。また機械が好きな人はSこういった職業、自然が好きな人は動物や植物に関わる職業等です。
ここで書いたことは変えてはいけない訳でもありません。一番よくないのは、面接官の印象を良くしようと思ってもいないことを書くことです。そういった嘘はすぐにバレます。質問を2~3問してみるとシドロモドロになることが多いからです。ですから、やはり自分自身で考えて興味があることから書いてみた方がいいでしょう。
添削は必ず、先生に
「自己PRカード」の記入(下書き)が終わったら、必ず先生に見てもらい添削を受けて下さい。自分の文章と言うものは、自分でその欠点に気づきにくいものです。また文体の統一だったり、誤字脱字も含めて、第三者の視点でチェックを入れてもらうことは大切です。
自己PRカードの補足として
補足として何点か。
文章量をどのくらい書けばいいか分からないとき
下書きも含めて、文量のメドを立てやすいようにひと手間加えておいてください。例えば、定規で枠の中に線を引くと見た目の体裁も整いますし、文量の調整もしやすくなります。
清書したあとにコピーを取っておきましょう
清書し、担任の先生に提出すると達成感でつい忘れがちですが、提出前に必ずコピーを取っておいてください。もちろん記念に、ではありません。面接練習はここから始まります。何を書いたのかを確認できないと練習になりません。意外と忘れやすいことなのでご注意を。本年からはEXCELでの提出・添削等を行っている学校も多いため、その場合はデータそのもの、もしくはスクリーンショット等を保存しておきましょう。
皆さんの合格をお祈りしています!
受験対策は大変です。教科学習だけでなく、作文・小論文対策も面接対策もです。しかし、志望校に合格できれば報われます。身体にも気を付けて頑張って下さい、個別教師Campスタッフも心から応援しています!疑問や質問などありましたら、どんなことでも結構ですのでお尋ね下さい。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。