こんにちは、個別教師Campライターの内海です。つい先日、1月14日(土)・15日(日)に令和5年度(2023年度)大学入学共通テストが実施されました。皆さん、手応えはいかがだったでしょうか?
2021年度から大学入学共通テストと言う名称に変更され、今年で3回目の大学入学共通テスト。特に、来年共通テストを受ける方にとって、出題内容や難易度など気になることと思います。そこで今回は、数学Ⅱ・Bの分析を紹介していこうと思います。
共通テスト数学Ⅱ・Bの概要
全体の構成
・第1問[1]:三角関数
・第1問[2]:指数関数・対数関数
・第2問[1]:微分法
・第2問[2]:積分法
・第3問:確率分布と統計的な推測
・第4問:数列
・第5問:ベクトル
今年度も例年通り、大問5題の構成となっていました。第1問、第2問は必答問題で、第3問~第5問のうち2題を選択して解答します。
令和5年度(2023年度)各大問別分析
第1問[1]
三角関数から、三角比の不等式に関する問題が出題されました。2倍角の公式や和積の公式といった、加法定理に関する定理を使えるかが試させる問題でした。
第1問[2]
指数関数・対数関数から、対数の値が無理数であることの証明を背理法で行う問題が出題されました。対数の定義に対する理解が問われる問題でした。
第2問[1]
微分を使って、円すいの内側に作られる円柱の体積の最大値を求める問題が出題され、図形、関数ともに基本的なものでした。今年は、グラフ選択の問題は出題されませんでした。
第2問[2]
定積分を使って、ソメイヨシノの開花時期を推定する問題が出題されました。基本的な定積分の計算と性質を利用すれば、無理なく答えを導けるという問題でした。
第3問
確率分布と統計的な推測から、ピーマン1個の重さに関するデータを分析するという問題が出題されました。正規分布を使うことは昨年度と同様でした。また、後半には重さの分散を小さくするための手法を行い、設定を適切に理解することが求められました。
第4問
数列から、預金の複利計算に関する問題が出題されました。漸化式を利用する方法、和を直接計算する方法の2つの方針で考えるよう、誘導されています。
第5問
ベクトルから、三角すいの頂点を含む空間上の点の関係を考察する問題が出題されました。計算量は多くありませんでしたが、与えられた条件からベクトルに関する等式条件を導き、選択する形式の問題が多く、多くの受検生が苦戦したと考えられます。
昨年度(2022年度)との比較
・各大問や中問において、易しい問題からやや難しい問題が順に並んでおり、昨年度よりも数学の点数を結び付けようといった工夫が見受けられました。難易度としては昨年度より易化したと考えられます。
・計算量は若干減ったが、第2問[2]や第3問(2)のように、問題文をしっかり読んで丁寧に考察すべき問題が昨年度に引き続き出題されました。
・昨年度に比べ、問題文の量もページ数も増加しました。ただし、必答問題を中心に取り組みやすい問題は増えています。
・所々会話文の問題は見られましたが、会話の中に空欄、設問が設定された問題はありませんでした。
今年受験生のみなさん、2日間にわたる大学入学共通テストお疲れ様でした!しかし、まだ大学入試自体は終わりではありません。2月上旬から私立大学の一般入試、2月25日に国公立大学の第2次試験(前期日程)があります。まだまだ気を抜いていられません。最後まで一生懸命頑張りましょう!
そして、これから受験学年になる方や、来年度から高校生になる方! 受験勉強は早めに始めておくことがまず大切です。受験勉強の相談や学習計画を立てながら勉強していきたい方は、ぜひ個別教師Campの「大学受験合格unison」まで!
内海
【略歴】
大学時代は学芸学部にて数学の微分・積分を中心に研究してきました。学生時代から個別指導塾で講師として研鑽を積み、塾講師として就職、最速で個別enaの校長に就任し現在に至ります。これまでの小学生~高校生への指導経験を活かした情報や得意科目である理系科目の情報を中心に発信していきます。