こんにちは、個別教師Campライターの小室です。
模試や定期テストの勉強している際に、よく苦手としてあげられるのが「文化史」です。
しかし文化史というのはその時代の背景や権力者から読み取っていくと覚えやすくなります。
今回は奈良時代、聖武天皇の治世に栄えた「天平文化」についてです。
【中学歴史・テストに出る】文化史の覚え方 ~天平文化~
前回の内容で、白鳳文化までを解説しました。
そこを改めて復習すると、白鳳文化は、律令国家成立期の文化であり、
遣唐使の影響もあって初唐文化の影響を色濃く受け継いでいるものでした。
また、国家仏教が表れ始めた時期でもあり、
天武天皇の遺勅により建立された薬師寺に関連するものが多かった、ということについて説明しました。
天平文化は奈良時代に、この白鳳文化で芽生えた国家仏教が聖武天皇のもとでより色濃く出され、
唐の文化も受けた、華やかで雄大な貴族中心の仏教文化です。
特に聖武天皇は 災害や戦乱が続いた状況下で、末法(まっぽう)思想 の影響を強く受けていたため、
(※末法思想……末法の世になると仏法がすたれて、
修行しても悟り(成仏)を得ることができない時代になるという考えのこと。)
国分寺・国分尼寺建立の詔(みことのり)や、廬舎那(るしゃな)大仏建立の詔を発布しました。
(東大寺盧舎那仏は大仏開眼(かいげん)供養と合わせて覚えておきましょう。)
また、この時代は南都六宗や鑑真、行基など、
聖武天皇以外にも仏教関連で重要なポイントが多くなってきます。
天平文化で有名な建築としては先ほどの詔にもあった、
国分寺や国分尼寺、東大寺や唐招提寺が挙げられます。
彫刻としては、東大寺盧舎那仏、
東大寺法華堂不空羂索観音像(ふくうけんさくかんのんりゅうぞう)、
興福寺八部衆像(阿修羅像)、唐招提寺鑑真像です。
書物としては、
太安万侶の『古事記』、舎人親王らの『日本書紀』、諸国の地理・産物・伝説などの『風土記』、
最初の漢詩集で大友皇子・大津皇子・長屋王らの『懐風藻』(かいふうそう)、『万葉集』などがあります。
これまでの文化では書物の特徴はありませんでしたが、
この天平文化より多くの書物が残されるようになってきます、平安時代の国風文化等と混ざらないよう注意してください。
特にこの奈良時代は、文化以外にも平城京への遷都から始まり、
太宰府・多賀城の設置、
農民の生活負担による逃亡を防ぐための三世一身の法や墾田永年私財の法、
長屋王の変・藤原広嗣の乱・橘奈良麻呂の変、恵美押勝の乱など、
これまで以上に動きが激しい時代になってくるので、
並び替え等の問題に対策していくためにも、政治とその時の主要人物をしっかり覚え、それにつなげるようにしましょう。
文化はそれぞれ単体だけ覚えようとすると、時代が混ざってしまったり忘れてしまうこともあります。
そのため、必ず時代の状況と合わせて覚えていけるようにしましょう。
小室
【略歴】
学生時代から個別指導塾で講師として研鑽を積み、現在はena個別牛浜の校長を務める。
大学在学時に中学・高校の社会科の教員免許を取得。
中学受験では都立南多摩中・立川国際中・私立明治大学中野八王子中などの指導実績あり。
高校受験では都立高全般の指導を行う。
これまでの経験を踏まえ、社会科分野を中心に受験に役に立つ情報を発信していきます。