こんにちは、個別教師Campライターの小室です。
模試や定期テストの勉強している際に、良く苦手としてあげられるのが「文化史」です。
しかし文化史というのはその時代の背景や権力者から読み取っていくと覚えやすくなります。
今回は「鎌倉時代の宗教」についてです。
【中学~高校日本史・テストに出る】文化史の覚え方 ~鎌倉時代の宗教~ ◎鎌倉文化
前回の内容で、「弘仁・貞観文化」「国風文化」「院政期の文化」について解説しました。
院政というのは前回確認した通り、
白河上皇が天皇に位を譲ったのちにも政治を行っていたという時代でした。
このような平安後期の時代に、「武士」が生まれました。
武士は各地の豪族であったり、天皇のボディガードであったり様々ですが、
その武士をまとめる「棟梁」が武士団を形成し力をつけていきます。
それが平氏と源氏であった、という話も前回しました。
鎌倉時代は、平治の乱で勝利して力を手にした平清盛を壇ノ浦の戦いで源頼朝が破り、
源頼朝が征夷大将軍として鎌倉で幕府を開いて政治を行った時代が鎌倉時代です。
この鎌倉時代というのは、社会不安の増大などにより
「鎌倉新仏教」
と言われる代表的な宗教を覚える必要があります。今回はそれを整理していきます。
浄土宗(法然)
浄土宗は、戒律や造寺造仏を不要とし、南無阿弥陀仏の専修念仏(念仏をひたすら唱える)をすれば万人が極楽浄土に往生できるという教えの特徴としています。
法然の記した 『選択本願念仏宗』(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう)
を合わせて覚えておいてください。
浄土真宗(親鸞)
親鸞(しんらん)は、煩悩が深い人間としての自覚を持つ者こそ、阿弥陀仏の本願にかなうものだという悪人正機説を唱えました。
また、浄土真宗は親鸞の 『教行信証』(きょうぎょうしんしょう) と
親鸞の弟子である唯円(ゆいえん)の 『歎異抄』(たんにしょう) を覚えておきましょう。
時宗(一遍)
鎌倉新仏教で一番覚えやすいのが時宗です。
時宗は信心の有無に関わらず、念仏により救済されると説き、踊念仏(おどりねんぶつ)で布教をしていきました。
この踊念仏というのが大きな特徴で、資料でも絵の中で一遍上人が踊念仏で布教をしている姿というのがよく描かれているので注目するようにしてください。
法華宗・日蓮宗(日蓮)
南無妙法蓮華経の唱題をします。特に浄土宗と混ざらないように注意しましょう。
また、法華宗至上主義の立場から他の宗教を批判した 『立正安国論』(りっしょうあんこくろん) も合わせて覚えておいてください。
臨済宗(栄西)
座禅と公案を説いたものです。
栄西は北条政子と源頼家の帰依を受けて、鎌倉に寿福寺、京都に建仁寺を立てました。
曹洞宗(道元)
只管打坐(しかんたざ・ただひたすらに座禅すること)で自我意識を離脱すると解き、
『正法眼蔵』(しょうほうげんぞう)を記しました。
高校生はこれに加えて、大覚派の祖蘭渓道隆(らんけんどうりゅう)や
無学派の無学祖元(むがくそげん)、法相宗の貞慶(じょうけい)、真言律宗の叡尊(えいそん)、
伊勢神道の度会家行(わたらいいえゆき)も確認しておきましょう。
覚えることが多く大変な内容ですが、資料と合わせながら視覚からも覚えていくようにしましょう。
本日もブログをお読みくださいまして、ありがとうございました。
小室
【略歴】
学生時代から個別指導塾で講師として研鑽を積み、現在はena個別牛浜の校長を務める。
大学在学時に中学・高校の社会科の教員免許を取得。
中学受験では都立南多摩中・立川国際中・私立明治大学中野八王子中などの指導実績あり。
高校受験では都立高全般の指導を行う。
これまでの経験を踏まえ、社会科分野を中心に受験に役に立つ情報を発信していきます。