こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
最近のベストセラーに『いとエモし』という書籍が挙がっています。
数々の古典文学の一節を若い人たちにも分かりやすい現代語訳というのが
大きなポイントなのだと思います。
前回は「和歌」について書いてみましたが、
今回は「古文」学習のポイントについて一緒に見てみましょう。
「古文」学習の関門
古文の学習をしていると実に不思議な感覚になるかもしれません。
それは、『日本語なのに分からない』ということです。
もちろん現代の口語表現に近いものもありますし、
そのままという表現もあります。
しかし総じて感じるのは“言葉の壁”ですね。
ではどうとらえればいいのか。
「英語」と同様に外国語として捉えてみる
うーん、実にモヤっとはしますが、こう考えて学習していく方が効率はいいと思います。
つまり、
古文=日本語→けど分からない→モチベdown→直前の勉強のみでテストに臨む
この方程式というか化学反応式になってしまいます。
母国の古典文学を学ぶのに「外国語」として捉える?
日本人としての矜持を保て!
とお叱りを受けるかも知れませんが、
生徒の皆さんにとっては「分からない」ままでいる方が、
ゆくゆく国語教育には支障をきたすと言い聞かせて
学習効率を優先します、はい。
そう考えるとやることは絞られます。
「古文」学習のポイント
「古文」学習のポイントは3つです。
①古文単語を知る!
②古典文法を知る!
③古典常識(時代背景や思想)を知る!
これです。
では見ていきましょうか。
①古文単語を知る!
まず古文を読み解くためには、古文単語を知る必要があります。
皆さんが英文を読もうとするときに知らない単語が多いと読めないのと同じです。
(この、例として英語を持ち出すのがやはり何とも複雑な…)
名詞など活用しない(語形が変わらない)ものは覚えやすいですが、
活用する(語形が変わる動詞・形容詞・形容動詞や助動詞など)語の暗記がなかなか手ごわいですね。
しかし、ここはぐっと堪えて覚えてみて下さい。
実を言うと古典の問題(入試問題含む)は基礎的な設問が多いのです。
ですから暗記がきちんとできていれば、確実に得点源になりうるわけです。
どうしますか?それでも古文アレルギーを貫き通しますか?
もちろん仮名遣いに気を付けるのは“さらなり”(言うまでもない)です。
②古典文法を知る!
さて、単語については「分かった」と言ってくれた皆さん、次は文法です。
単語を知ると理解度は深まります。しかし正しく読まないと読解できません。
やはり、英語に助けてもらいましょうか。
英語でも、単語の訳だけで正しく日本語訳ができるかというと必ずしもそうは言えません。
文章が成立する、読解を正しくするために必要なものが文法だからです。
古文では正確な文法力というのが必要になります。
しかし安心してください。
古文の問題の文量は英語や現代文に比べるとかなりハードルが低いです。
そのため、いかに丁寧に正しく古文を読み、理解できるかが大切になってきます。
いくら読み自体が早くても、正しく読めていなければ、正解は出ませんし、何回も読み直すはめになってしまいます。時間のロスですね。
古典文法を学んで、覚えることは正確な意味を取れる秘訣です!
途中ですが余談です
英語でも古文でも、単語と文法の学習は当然ながら生徒の皆さんにとっては結構大きなハードルです。
そうなると付け焼刃でスルーしようとする生徒たちも現れます。
そういう時はちょっと考えてみましょう。
余談で更に例えます。
語学(古文も含みます)というのは、会話と読み書きはまた違います。
いきなりですが、私は個人的に料理番組をよく見たりします。「3分クッキン〇」とか。
まあ、そんな私の番組の好みはどうでもいいのですが、生徒たちに話すのは、
①単語は食材
②文法はレシピ
これです。まず何かの料理(英語や古文)を作る(学習する)ときは、食材(単語)がないと始まりませんね。
そしてそれを美味しく作る(正しく解く)ためには、レシピ(文法)がないと上手くできないものです。
ではどちらが優先かというと、もちろん食材(単語)なわけです。
ですからまずはどちらか、と躊躇してしまう場合は単語から始めて下さい。
さて戻ります。
③古典常識(時代背景や思想)を知る!
さてここまでで、古文学習には単語や文法を理解していくことが大事であることは述べてきました。
では更に理解を深めるためにどうすべきか?
古典の世界では今とは全く違うその時代の常識などが存在します。
そこを無視して現代の感覚で理解しようとするとどうしても辻褄が合わないことが出てきます。
季節についても現代では、春は3月〜5月、夏が6月〜8月、秋は9月〜11月、冬が12月〜2月という認識です。
しかし、古文では春が1月〜3月、夏が4月〜6月、秋が7月〜9月、冬が10月〜12月となります。
花についても、現代では「花」というと桜を指すことが多いですが、
奈良時代までは「花」といえば梅のことを指します。
思想についても、平安時代末では仏教の末法思想が影響します。
また鎌倉時代では、同じく仏教の「無常観」がその時代の文学に影響を与えています。
私たちの現代の感覚でわかるものもあれば、そうじゃないこともあります。
そういったその時代の古文常識を知っているだけで問題を把握する力は変わってきます。
「古文」学習の実践
こういった基礎知識を身につけたら、あとは実戦演習あるのみです。
基礎練習だけで部活の試合では勝てません。同じです。たくさんの問題に慣れていくことは大事です。
ぜひ頑張ってみて下さい。
今回もありがとうございます。
さて、今回は「古典の学習」にスポットを当てて見ました。
今回もありがとうございました。また次回お会いしましょう。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在はena個別河辺・小作校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。