こんにちは、個別教師Campライターの舟田です。
突然ですが、みなさんは因数分解が得意ですか?
もしかしたら、数字が大きくなると解くのに時間がかかるという人もいるかもしれません。
特に中学3年生の皆さんは、春~夏頃にかけて因数分解を学ぶことになりますので、
ぜひ今回紹介する方法を試してみてください。
因数分解のどこが難しい?
因数分解の公式でもっとも目にするのが、以下の式です。
x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)
因数分解では、xの係数がa+b、定数項がabとなるようなa,bを探さなければいけません。
例えば
x^2+4x+3=0
のときは、足して4、掛けて3となる2つの数字を探せばよいわけです。
掛けて3になる組み合わせは、1×3のみなのでx^2+4x+3=(x+1)(x+3)と因数分解できました。
今回は簡単に見つかりましたが、実はこの2つの数字を探す作業が因数分解の難しいところです。
2つの数字をラクに探すには
次の例題を見てみましょう。
x^2-8x-884=0
足して-8、掛けて-884となる数字の組み合わせは、すぐに思い付かないことが多いと思います。
そんなときは、素因数分解を使います。
次の手順にしたがって、一緒に2つの数字を求めてみましょう。
①符号よりも数字に注目する
符号は2つの数字が見つかってから考えればよいので、まずは符号を抜いて考えましょう。
例題では、-8と-884ですが、8と884として考えます。
②足し算よりも掛け算の条件に注目する
例えば、掛けて100となる2つの組み合わせは(1, 100), (2, 50), (4, 25), (10, 10)の4通りですが、
足して100となる組み合わせは数えきれないほどあります。
極端な場合、(-10000, 10100)でも足すと100になります。
このように、条件は制約の厳しい方から考えるとラクになります。
③掛け算の条件にある数字を素因数分解する
例題では、884が掛け算の条件の数字にあたります。これを素因数分解すると884=2^2×13×17となります。
素数は19まで覚えておくとよいでしょう。
④いきなり組み合わせを探すのではなく、見当をつける
掛けて884となる2つの数字が見つかったら、その和が8になるかどうかを確かめます。
しかし、組み合わせが多ければ多いほど、いちいち照らし合わせるのは大変です。
そこで、2つの数字の絶対値がどれくらい離れているかに注目します。今回は8なので、それほど離れていないといえそうです。
すなわち、2つの数字は(●×13,■×17)の形になっていると予想します。
あくまで予想ですから間違っている可能性もありますが、すべての組み合わせを比べる手間を考えると、かなりラクになったのではないでしょうか。
予想をもとに考えると、●と■に入る数字は、(1,4),(2,2),(4,1)のどれかになります。
ここでもう一度、2つの数字がそれほど離れていないことを考えると、(2,2)が当てはまりそうです。
(2,2)のとき, 2つの数字は(26, 34)となります。
⑤符号を考える
26と34の和は8になりませんが、差は8になります。
2つの数字の符号がどちらもプラスまたはマイナスの場合は、絶対値が8になります。
すなわち差が8になるということは、どちらかの符号がマイナスであることがわかります。
もともとの符号は-8のため、絶対値の大きい34の符号がマイナス、26の符号がプラスであることが確定しました。
よって、①~⑤の手順から
x^2-8x-884=(x+26)(x-34)
と因数分解することができました!
【できるだけラクに】中学数学の因数分解を解くコツ まとめ
以上、いかがでしょうか。因数分解の公式はテキストで見かけることも多いと思いますが、計算の工夫はなかなか教わる機会が少ないと思います。
因数分解に限らず、計算問題を解くときは、よりラクな方法がないかどうかぜひ考えてみてください。
また、個別教師Campの中学3年生向け講座「単元速習講座」では、
中学1・2年生向けの内容をお手軽に復習することができます!
本日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
舟田
【略歴】
幼少期から公文や様々な個別指導塾・大手予備校に通った経験があり、難関私立大学に合格。大学では経営・経済分野を専攻し、そのかたわら大手個別指導塾で講師として指導。現在は家庭教師Campスタッフとして、家庭教師Campの運営に携わる。自身の中学・大学受験や通塾経験・指導経験を活かし、みなさんに有益な情報を発信します。