こんにちは、個別教師Campライターの内海です。
今回は、身の回りの数学 微分・積分ver.についてご紹介したいと思います。
微分・積分とは?
皆さんは微分・積分が何かすぐに答えられますか?
微分:その瞬間の変化の度合いを調べるもの
積分:さまざまな時間などの経過に従って変化するものを積み上げたもの
上記の内容だけだといまいちピンと来ないと思うので、イメージを掴むために「距離」「時間」「速さ」の関係に当てはめて解説していきます。
微分をもっと分かりやすく
微分は「細(微)かに分けて考える」ことで、ある一瞬の変化を捉えるための方法です。
例えばある自動車が1時間に60km進んだとします。
この場合、速さは時速60kmと求められます。
このように進んだ時間とかかった時間が分かれば、速さを求めることができます。
ただ、実際にはずっと時速60kmで走っていた訳ではありません。
それはなぜか?
高速道路でスイスイ進むこともあれば、赤信号や渋滞で停止している可能性もあるからです。
実は算数で習った「速さ」は、あくまでも「平均の速さ」といえるのです。
しかし、車にはスピードメーカーがあって、すぐにその車の速度が分かるようになっています。
では、この自動車のある一瞬の速さを求めるためにはどうしたら良いのでしょうか?
「距離」「時間」「速さ」の3つのうち、「時間」を限りなく0に近づき、そのわずかな時間に進んだわずかな距離を「距離」に当てはめれば良いのです!
よって、瞬間の速さ=わずかな距離÷わずかな時間といえます。
積分をもっと分かりやすく
積分は「分けたものを積んで集めて考える」ことで、ある一瞬の変化を合わせて全体の量を捉えるための方法です。
つまり、微分とは真逆の意味を持つ考え方といえます。
微分と同様に速さを例に考えてみます。
例えば、時速60kmで3時間走行した後に時速40kmで2時間走行したのなら、走行距離は60×3+40×2=260(km)となります。
その後、時速80kmで3時間走行したのなら、さらに80×3=240(km)をたして、全体の走行距離が500kmとなります。
このとき、それぞれの区間における自動車の速さはあくまでも「平均の速さ」なので、それぞれの区間の中で速さが変化している可能性があります。
そのため、その速さをもとに計算した距離も大まかな値になってしまいます。
では、走行距離をより高い精度で求めるためにはどうしたらよいでしょうか?
1時間走行した間の速さの変化を「10分間」
や「20分間」といった広い間隔ではなく、限りなく細かな感覚で捉えていきます。
(瞬間の速さ×わずかな時間)+ (瞬間の速さ×わずかな時間)+ (瞬間の速さ×わずかな時間)+・・・+=走行距離
上記の式で、より精度の高い走行距離を出すことができます。
身の回りの微分・積分
Twitterのトレンドは、微分の考え方を使って算出をしています。
そもそもトレンドというのは、その単語がどれだけツイートされたかではありません。いつもより多くツイートされているどれだけ盛り上がったかが基準なのです。
傾きが大きければ大きいほど、トレンドに入りやすくなるということです。
天気予報
こちらも微分を使って、気温や風、湿度といった大気の状態の「瞬間の変化率」を導き出します。一定時間が経った後の変化量を積分によって解析することで、その後の天気が予測されます。
この方法が導入されるまでは、天候と空模様のパターンを見つけ、翌日の天気を予測していました。
微分・積分の考え方が取り入れられたことで、予測の精度がかなり上がりました。
スマートフォンのバッテリー残量
スマートフォンのバッテリー残量の計算には、積分が使われます。
スマートフォンの画面をロックして使っていない時もあれば、動画視聴や誰かに連絡を取るために使う時もありますよね。
つまり、消費電力量が一定ではなく、その時々によって変化します。
そこで、「時間によって変化する電流の値を積んで集めて考える」ことで、既に使用した電気の総量をより精度高く求め、確からしいバッテリー残量を導くことができます。
まとめ
今回は微分・積分についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。他にも身近なところに微分・積分が活用されていますので、ぜひ探してみてください。
内海
【略歴】
学生時代から個別指導塾で講師として研鑽を積み、現在は塾講師として就職。最速でena個別の校長に就任し現在に至ります。これまでの指導経験を活かした情報や得意科目である理系科目の情報を中心に発信していきます。大学時代は学芸学部にて数学の微分・積分を中心に研究してきました。これまでに都立三鷹中や調布北高校・武蔵野北高校・多摩大学附属聖ヶ丘高校などの指導実績があります。