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【国語・教養】五音と七音のリズム ~俳句・和歌~

2024.10.30

いろいろコラム

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こんにちは、個別教師Campライターの西村です。

 

小中学校の国語で学ぶ詩の中に、俳句と和歌(短歌)があります。
これらの特徴はご存知の通り、音数に一定の規則性があるということです。

 

俳句(川柳)なら、五・七・五の三句十七音。
和歌(短歌)なら、五・七・五・七・七の五句三十一音。

 

ここで皆さんは思いませんか?
なぜ五音と七音の組み合わせなのかと。

今回はこの五音と七音のリズムについてほんのちょっと考えて見ましょう。

【国語・教養】五音と七音のリズム ~俳句・和歌~ ◎なぜ五音と七音なのか?

そもそもなぜこの音数なのかと考えると不思議な気もします。確かに読んでみると自然なリズムがあって読みやすいですね。
日本語の特徴として五音や七音の区切りがまとまりやすいのか。そんなことを書いてみます。

五音と七音のリズム
ここでは二つの面から考察というか、見てみます。

一つは、私たちが話すときの特徴
二つめは日本語の特徴です。

【国語・教養】五音と七音のリズム ~俳句・和歌~ 1.日本人の発音数が関係している⁉

私たちが発する音と言うものは、どれくらいの文字数になるのか。

そういった点から見てみましょうか。

 

一般的に1分間で話す文字数は220文字~250文字と言われます。

また小学生から成人の1分間の呼吸数は18~25回と言われています。

これを参考に考えて見ると、私たちが一呼吸で発音できる音数は10~12音となります。

この一見、こじつけの考察ですが、実験した人もいます。

1928年にと東京帝国大学(現東京大学)の心理学実験室の相良守次(さがらもりじ)先生は、

無意味文を朗読させ、一呼吸の間に何音読めるか」という実験をしています。

無意味文と言うのは、意味がない文字列のことです。
意味がある文だと、正確な検証結果が得られなくなるからですね。

例えば、意味がある文ならその言葉の終わりまで読もうとする意識が働きます。
歌で考えると分かりやすいかも知れません。息継ぎが苦しくても何とかひとまとまりの歌詞を歌い切ろうとしませんか、青筋を立ててでも(笑)
カラオケならばそれでもいいでしょうが(聴いている方は苦痛かも)、実験としては調べたいこと以外の要素が入ると正確な結果ではなくなりますから、「無意味文」なのですね。

それでその実験結果は、これがやはり12音だったそうです。

テーマに戻ります。
つまり、その一呼吸で発音できる12音を“意味のある単語や文節”で区切ったのもが五音と七音なのではないかと言うことです。
五音+七音=12音ですから。

もしかするとこういう理由もあるのかも知れませんね。

【国語・教養】五音と七音のリズム ~俳句・和歌~ 2. 日本語の特徴が関係している⁉

それでは次に「日本語」の特徴から考えて見ましょうか。

私たちが古代から使っている日本語ですが、二文字または二音節の単語は非常に多いですね。
ヤマ、ソラ、ウミ、カワ、ヒト、イエ…と言った名詞
読む、書く、飛ぶ、見る、来る…といった動詞

三文字または三音節の単語も多いようです。
テレビ、スマホ、ツクエ、トケイ…と言った名詞
走る、話す、歩く、開ける…と言った動詞

 

もちろんそれ以上の文字数、音節の単語もたくさんあります。

しかし日常で会話の中で出てくる単語は、比較的シンプルです。
では例えば二文字や三文字といった単語を使って文節を作るとき、当然ながら一文字(一音節)の助詞を使って
まとめている訳です。

山と海(ヤマ・ト・ウミ)   秋の空(アキ・ノ・ソラ)  花が咲く(ハナ・ガ・サク)

……というように五音を作りやすいのかもしれません。

中学生は「枕詞(まくらことば)」を学習すると思います。

あの「枕詞」自体が5音からなるまとまりでもあります。

すべてではありませんが、そういった日本語の文や文節を作るときには助詞や助動詞を“接着剤”にして単語を貼り付けていくのですから比較的、五音と七音にまとまりやすいのかも知れません。

【国語・教養】五音と七音のリズム ~俳句・和歌~ ◎成り立ちを調べると興味も出てくる

どうやってそうなったのか、どういう進化を遂げたのか、すべてのものには理由があります。

それを調べること、そして自分なりに考察することは、皆さんが本当の意味で学ぶには必要なことでもあります。
教科の内容を覚えることも大事ですが、そこから自分なりに考えて見ることも実践していってほしいと思います。

 

【国語・教養】五音と七音のリズム ~俳句・和歌~ ◎最後に

今回は俳句や和歌に見られる「五音・七音」についてほんの少し書いてみました。

「五音・七音」になぜそうなったかは今でも研究が進んでいます。
ズバリの答えが出せずにもやもやとしているかも知れませんが、

いつも学習する「俳句や和歌」を単に覚えるだけ、表現技法を暗記するだけで終わってほしくないと思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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【この記事を書いた人】
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。

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