こんにちは、個別教師Campライターの西村です。高3になると選択科目で迷う人も多いと思います。なぜなら高3での科目選択は、受験に直結するからですね。
今回は、社会の選択で「日本史」を選ぶか「世界史」を選ぶかについてお話してみたいと思います。
【日本史と世界史どっち?】社会の選択はどうするか
先ほども書いた通り、高3での選択は大学受験に直結するものなので、志望大学の受験教科、受験科目を基準にして選ぶことが必要になります。気分のままに選ぶことはないと思いますが、志望大学の受験教科も踏まえて選ぶことが必要になるということです。
「社会」では地歴から「世界史」「日本史」「地理」、公民から「倫理」「現代社会」「政治経済」の6科目から選ぶことになります。全てに共通するのは、「社会」ですので暗記が必須ということです。更にこれらの科目を比較すると、歴史分野の「世界史」「日本史」は他科目よりも暗記量は特に多くなるということですね。
受験を考えると暗記量が少ない科目を選びたくなるのは自然ですが、「地理」や公民分野だと受験できる学校の幅が狭まる可能性があるので要注意です。なかなか楽には受験させてくれませんね。
というわけで、必然的に「世界史」「日本史」に“誘導”されてしまうのですが、ではこの二つの科目、どう判断すればよいのでしょうか。次でその特徴を確認してみましょう。
【日本史と世界史どっち?】「世界史」と「日本史」の特徴
では「世界史」から。
◆「世界史」の特徴
「世界史」は、アジア・ヨーロッパ・アメリカといった多くの国の歴史を学習するものです。当然、暗記内容は多岐にわたります。具体的には漢字の用語とカタカナの用語が混ざります。「世界史」は広範囲での暗記が必要になるということです。またそれらがバラバラではなく、時代の横のつながりが出てきます。
つまり同時代にアジアでは…。ヨーロッパでは…。という風に各国の出来事をつなげる作業も必要になるのですね。手順としては、国ごとの歴史を一通り学習した後、同時代でのつながりを覚えていく作業に入るといったものです。
この特徴をまとめると
①暗記量はとても多い。
②カタカナの用語が多い。
③物事を全体をとらえることが得意な人向き。
④横軸で歴史をとらえることが大事。
⑤世界地図の変化を正確に暗記することが重要。
◆「日本史」の特徴
「日本史」は「世界史」に比べて、文字通り日本の歴史になりますので、横の広がりはそこまで大きくはありません。しかし、その分深く掘り下げた内容を学習しますので暗記量としては多いです。また特徴としては、経済史・外交史・思想史などのようにテーマ別の歴史学習も必要になります。用語も漢字がほとんどですので、漢字が苦手だという人には大変だともいえます。
メリットとしては、中学で「歴史分野」として学習経験もありますし、自国の歴史ですので馴染みやすい部分は大きいともいえるでしょう。また、副次的な効果として、古文を受験科目として使用する人は、日本史を学習しておくと役立ちます。文学史という意味では重複する部分もでてきますね。
この特徴をまとめると
①暗記量はかなり多い。
②漢字の用語がほとんど。
③物事を掘り下げて捉えることが得意な人向き。
④縦軸がメインで、テーマ別に横軸で捉える必要もある。
ここまでそれぞれの特徴をまとめてみましたが、私が見ても“脅し”のような感じになってしまいましたね。元気を出しましょう!
【日本史と世界史どっち?】難易度からの視点
では視点を変えて、大学の難易度からも見てみましょうか。
暗記の絶対量からみれば、「世界史」よりも「日本史」の方が少なくなります。しかし、先に述べた“どれだけ掘り下げて学習するか”という科目の性質を合わせると入試問題の難易度は変わってきます。
「世界史」は横軸で捉える科目ですので、広範囲ではありますが、深く掘り下げて問われることは多くはありません。それは難関大学でも変わりません。「世界史」においては、入試問題の難易度は高くなりにくいという面もあります。逆に「日本史」は難関大学では難易度も上がってきます。
一概には言えないところもありますが、難関大学では、「日本史」より「世界史」が得点しやすい傾向があると言えます。
【日本史と世界史どっち?】何のための選択かが最優先
思い出してほしいのは、自分が志望する大学の受験科目は何なのかということです。学習の多さに辟易して楽な科目を選択したがために受験時に苦労するというのは、本末転倒です。必要な教科科目をしっかりと学習することが、入学するための方法であれば、積極的に取り組んで欲しいと思います。
となると、先ず必要なのは、早めの志望大学選択ということになります。具体的な大学名が挙げられなくても、志望学部だけでも決めていれば受験科目は調べられるはずです。つまり早い時期に“ゴールの位置(偏差値だったり、受験科目だったり)が決まれば、時間的にも対策は取りやすい”という当たり前の結論にたどりつくのですね。
同じ「社会」の科目ですが、人によって好き嫌いはあって当然ですし、向き不向きもあります。一概にどれが得点しやすいというのはないのです。早めの対策で、どの教科でも十分な得点ができるように準備しておくことに勝る方法はないのですね。さあ、今から始めましょう! 継続は力なり。習慣に出来ている人がやはり強いのです。
疑問や質問などありましたら、どんなことでも結構ですのでお尋ね下さい。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。