こんにちは、個別教師Campライターの後藤です。
みなさん、漢字は得意でしょうか? デジタル化が進み、今は昔より文字を書く機会が減っていると思います。漢字は書いていないと忘れてしまいますよね。しかし漢字であれば、たとえ知らない漢字、読めない漢字でも何となく意味が予測できませんか? 例えば「彼の言葉には辛辣さがあった。」という一文を読んだとき、「辛辣」という言葉を知らず、読めなかったとしても、何となく彼の言った言葉は言われた側にとって喜ばしいものではなかったのではないか、と感じるはずです。「辛辣」がわからなくても「辛」の字義がわかるから、というのもあると思います。他にも「さんずい」の漢字は「水」に関係するなど、部首から漢字の意味を推測できることもありますね。
では、英単語はどうでしょうか? アルファベットはひらがなやカタカナと同じで、一つ一つに意味がないため、漢字のようには覚えていけないと思うかもしれませんが、そんなことはありません! 前置きが長くなりましたが、本日は英単語の意味やスペルのルールについてお話していきます!
英単語をカンタンに覚える方法5選 ①語源を知ると英単語は覚えやすい
ある単語や連語が、なぜそういう意味で用いられるようになったかという由来を考えたとき、その由来を「語源」と言います。ここでひとつ英単語の語源を紹介します。
・Breakfast「朝食」
「Break」の意味は、「壊す」の他に「継続しているものを絶つ、破る」などの意味があります。そして、「fast」は「速く」の他に、名詞で「絶食」、動詞でも「絶食する」という意味があります。つまり、「breakfast」とは、「絶食状態を破る」というのが語源となり、本来の意味は「(昨日からの)絶食状態を破る最初の食事」のことを指します。朝起きてから何も食べず夕方に最初の食事をした場合、それが「Breakfast」ですね。ただ1日の最初の食事は朝摂る人が多いため、Breakfastは「朝食」という意味で使われます。
英単語をカンタンに覚える方法5選 ②英単語はパーツに分けると語彙が広がる!
英単語の意味の中心となる部分を「語根」、語根の前に付くのが「接頭辞」、後ろにつくのが「接尾辞」となり、英単語はおおよそが2~3つのパーツに分けられます。最近よく聞くようになった「テレワーク」という言葉。このtelには「離れて」という意味があります。離れたところにいる人と話ができる機械をtele+phone「テレフォン」、離れたところで動画を楽しむtele+vision「テレビ」、そして離れて仕事をするので、tele+work「テレワーク」というわけです。英単語の成り立ちがわかれば、英語の意味に納得でき、覚えやすくなります。次は、「接尾辞」「語根」「接尾辞」それぞれを詳しくみていきましょう。
英単語をカンタンに覚える方法5選 ③接頭辞
「うわぁ~あいつディスってくる!」の「ディス」は接頭辞「dis」からきた言葉です。disは「否定する」という意味を持つ接頭辞。agree「賛成する」に対し、「反対する」はdis+agreeでdisagreeとなります。他にも「失望させる」を意味するdisappoint、や「嫌い」のdislikeなどがあります。他にも、dis+coverでcover「カバー」がdis「ない」→「発見する」、appear「出現する」もdis+appearで「消える」となります。
もう一つわかりやすい接頭辞を紹介すると、subは「下へ」という意味です。海のmarine+subでsubmarine「潜水艦」です。sub+wayで「地下道」です。(ちなみにイギリスでは地下鉄はundergroundなので、アメリカ英語と少し表現が変わります。)他にject「投げる」+subでsubject「題目」、stance「立つ」+subでsubstance「実質」などがあります。
英単語をカンタンに覚える方法5選 ④語根
先ほど接頭辞のsubで出てきたjectですが、ject「投げる」に接頭辞「pro(前の)」をつけるとproject「計画」となり、「中へ」を意味する接頭辞にinをつけるとinject「注射する」となります。その他に「離れて」を意味するobを前に置くと、object「反対する」、reを付けてreject「却下する」など、「投げる」も物理的にものを投げる以外に、物議を投げ出すというような意味合いも込められていると考えれば、納得できるのではないかと思います。
form「形づくる」は、「正式な」を意味するformal、「形成」という意味のformationなど、カタチにまつわる言葉が意味として出てきます。接頭辞にinを付ければinform「知らせる」、「再び」を意味するreを付ければreform「改良する」となります。「1つであること」を意味するuni+formでuniform「制服」など、わかりやすい単語が多いです。ちなみに自転車(二輪車)はbi+cycleなので、unicycleは・・・そう、一輪車のことですね。「(ひとつの)宇宙」はユニバースuniverseです。
英単語をカンタンに覚える方法5選 ⑤接頭辞
接尾辞でいちばんに紹介したいのは、可能を意味するable。今話題の「持続可能な」サステナブルはsustain(持続する)+ableです。裏返しても着られる服はreverse「反対にする」+able、でリバーシブルreversable。ニットでも洗えるものはwash「洗う」+ableでウォッシャブルwashable。「安定した」stable、「取り外すことができる」removableに、「合理的な」reasonable。このreasonableは日本語でリーズナブル「手頃な」という意味の方が伝わりやすいですが、reason+ableでreasonableです。
接尾辞には品詞を変える働きがあるものも多いです。形容詞-lyで副詞として働く単語の例をあげると、easy+ly「簡単に」careful+ly「注意して」などがあります。ちなみにcarefulはcare「注意する」+ful「~に満ちた」でcareful「慎重な」という意味になります。
英単語は暗記するだけじゃもったいない!
「英単語のスペルの法則や意味って? 英単語をカンタンに覚える方法5選!」として紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 暗記するしかないと思っていた英単語に少し興味が湧いてきませんか? もちろん、最初は基本単語を覚える必要があります。しかし、語源に目を向ければ知っていく面白さもあるはずです。ぜひたくさん調べていきましょう!
後藤幸奈
【略歴】
個別ena校長を務め、中学受験では都立武蔵・三鷹・富士・立川国際・南多摩中、私立日大二中、明大中野八王子中、高校・大学受験では都立国立・立川・八王子東・国分寺高校、明治大学、法政大学、埼玉県立大学など多くの合格者を輩出。
高校時代は日本とアメリカで過ごし、ダブルディプロマを取得。
英語教育や帰国生入試を中心に幅広く受験や学習情報を発信していきます。