こんにちは。個別教師Campライターの工藤です。ついに年末も年末、年の瀬ですね。今年(2022年)も激動の一年だった気がいたします。みなさんは今年の一年を振り返ってどうでしたか? 充実した一年を過ごせた方も、思うようにいかなくて難儀した一年だった方も、良いお年をお迎えください。
さて、一年を振り返るまえに、ぜひ自分の部屋や自宅を見回してみてください。大掃除はもう済ませましたか? 私はこの時期になると、子どものころ「部屋をきれいにして新年を迎えないと、幸運が来ないよ」と言われていたのを思い出します。部屋・自宅の大掃除を済ませていない方、「もう面倒くさいからいいや……」とお思いの方も、ぜひ部屋の片づけと勉強の効率について考えてみましょう。
「明窓浄机」
「明窓浄机(めいそうじょうき)」という四字熟語をご存じですか? 初めて見た人も、漢字からおおよその内容はつかめるのではないでしょうか。
「明るく清潔で、落ち着いて勉強できる書斎の形容。読書や執筆に適している場所。明るい窓と塵一つない清潔な机の意から。▽「机」は「几」とも書く。(三省堂 新明解四字熟語辞典 より)
という意味で、落ち着いて勉強できる空間について述べた言葉です。実は、勉強するうえでモノが整理整頓されていることはとても大事です。それは、モノが整理されていない状態(乱雑な状態)で置かれていると、視界に入ったときに脳が処理する情報量が増え、集中力が乱されたりストレスを感じたりするからです。
情報量の多さは人間に毒であることも
私たちは普段何気なくたくさんの情報を処理しています。視界に映るものを改めてじっくり見てみると、実はたくさんの情報にあふれています。ここでいう情報とは、何もニュースや知識などのことだけでなく、脳が処理しなければならない要素のことを指します。
人間は処理しなければならない情報が多かったり、あるいは判断しなければならない選択肢が多いと、脳みそが疲れてしまいます。学習机が汚い人は勉強するためにまず物をどかさないといけないですし、勉強している合間にも、視界の端には横にどけて置いた色々なものがチラチラ見え隠れします。そうした状態はとても集中力を削がれていますので、よっぽど深い集中に入って目の前のものしか見えない、という状態にならない限りは勉強の効率が良いとは言えません。
これは、もともと私たちが肉食の動物などを避けて生きてきた名残なのかもしれません。あまり力の強くない動物が自然界で生き残るには、例えば多くの草食動物のように、広い視界で危険を察知したり、足の速さを活かして逃げ切ったりする必要があります。それに対して人間は、それほど足が速いともいえず、視界がシマウマ並みに広いとも言えません。その分、視界に映った情報を何でも素早く処理し、いち早く危険に気付けるような脳の癖があるのかもしれません。
モノの片付けは「見た目」ではなく「動線」を意識する
では、実際一念発起して片づけてみよう! となったとき、ありがちなのが「見た目」にこだわることです。しかし、私の経験談から言うと、見た目にこだわった部屋の掃除は長く保てないことが多いです。なぜなら、見た目は「自分の生活習慣と結びついていないから」です。
見た目を考慮して片づけをすると、初めはとてもきれいでおしゃれな部屋になると思います。しかし、それは自分の生活リズムや癖を無視した、「部屋としての美しさ」になっていることが多いです。ですので、なんだかんだ部屋で過ごしていると、ついうっかり元あったところに物を置いてしまったり、よく使うからと手元に積み出したりしてしまう人も多いのではないでしょうか。これを直すには、部屋を整える以上に「自分の意識と行動を変える」必要がありますので、意外と根気が必要な場合が多いです。
「動線」を意識するとは、まさに「自分の習慣に合わせる」ことです。とはいえ、流石に整理整頓はします。具体的には、使用頻度の高いものを身近に置くこと、一連の動きを意識して関連する物を近くに置くことです。部屋が散らかっているとき、散らかっている物も「一度たまたま使ったり見たりして、使用頻度が低いからそのままになっている」ものと、「頻繁に使うので、元々決めていた位置に戻すことなく手元に置いている」もの、そして「判断に困っているのでそのまま置いている」ものの3種類に分けられます。「判断に困っている物」は本当に必要なのか考え、不要なら捨てたり譲ったりして、必要なものなら配置を考えましょう。頻繁に使うものは手元に置いておいて良いですが、その場所は効率的になるよう整えましょう。そして、使用頻度が低いものは必要に応じて取り出せる場所に戻しましょう。それだけでも、だいぶ部屋がきれいになり、かつ保てると思います。
今回は部屋の片付けと勉強の効率、そして部屋の片付けポイントを紹介しました。ぜひ年末に自分の学習環境を整えて、集中して新年から改めて勉強できるように頑張りましょう!
工藤
【略歴】
自らも個別指導塾に通い、私立中・国公立大に合格。個別指導塾の講師として働き、就職。個別指導塾の校長を務め、現在は個別教師Camp校長。個別指導一筋で8年間指導。
都立南多摩中、区立九段中、私立桐朋中、明大中野八王子中など、高校・大学受験でも都立国分寺高校、上智大学、法政大学などに合格者を輩出。
指導経験を活かして、みなさんに有益な情報を発信します。