こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
先週に続いて「国文法」について書いてみようと思います。
今回は“活用のある自立語”から「動詞」にスポットライトを!
参考※【国語・文法】「助動詞」って何だろう? (2023.07.14)
ぜひぜひお付き合いのほどを!
「動詞」とは?
はい、前回同様にちょっと堅苦しい説明をしておきます。
「動詞」
◇活用のある自立語で、事物の動作(どうする)・作用(どうなる)・状態・存在(ある・いる)などを表す。
- 「活用のある」とは、使う場所で語形が変わるということは前回も述べた通りです。
自立語では「動詞」「形容詞」「形容動詞」、付属語では「助動詞」が「活用のある(語の形が変わる)単語」です。
- 自立語
単独で文節を作ることができる単語です。つまり自立語の数=文節の数となる訳です。
- 言い切りがウ段で終わる
「活用のある」語ですが、言い切り(基本的な形)はウ段の音になる。“言い切り”とは皆さんが国語辞典で調べるときに変形させますよね、その形のことです。
では例文として天気予報ならばどうでしょう。
昨日本州付近を南下した梅雨前線は、奄美〜伊豆諸島付近に停滞します。伊豆諸島などでは活発な雨雲のかかりやすい状況が続くため、激しい雨や落雷に注意してください。
前線に近い九州や四国でも雲が広がり、雨が降るでしょう。
前線が離れる本州や北海道では晴れる所が多くなりそうです。
・「南下し」←「南下する(サ行変格活用・連用形)」
・「停滞し」←「停滞する(サ行変格活用・連用形)」
・「続く」←「続く(五段活用・終止形)」
・「注意し」←「注意する(サ行変格活用・連用形)」
・「広がり」←「広がる(五段活用・連用形)
・「降る」←「降る(五段活用・終止形)」
・「離れる」←「離れる(下一段活用・終止形)」
・「晴れる」←「晴れる(下一段活用・連体形)」
・「なり」←「なる(五段活用・連用形)」
さて天気予報の文面の中から「動詞」を抜き出していますが、ここで大事なことは( )内の表記です。
具体的には、(活用の種類・活用形)として表しています。この点を次に見ていきましょう。
「動詞」の『活用の種類』と『活用形』
ではここでは「動詞」をもっと詳しく見ていきます。
◇活用の種類
「動詞」はその使われる場所で“語形が変わる”と言うことは分かってくれていると思います。「活用の種類」とはその変わり方のパターンです。
「動詞」は変化のパターンは5種類です。
- 五段活用→【ア・イ・ウ・エ・オ】の5つの段を使って変化する動詞です。
- 上一段活用→【イ】の段を使って変化する動詞です。
- 下一段活用→【エ】の段を使って変化する動詞です。
- カ行変格活用→①②③に当てはまらないカ行の音を使って変化する動詞です。「来る」のみです。
- サ行変格活用→①②③に当てはまらないサ行の音を使って変化する動詞です。「する」のみですが、
これに漢語が着くとそれらは「サ変動詞」となります。
活用の種類の見分け方は?
活用形の見分け方は前段で述べていますが、では「活用の種類」の見分け方はどうか。
ここも押さえておきましょう。
5種類の活用でも「カ行変格活用」と「サ行変格活用」についてはそれぞれ1語ですので覚えておくことが大事です。
「カ行変格活用」→「来る」
「サ行変格活用」→「する」 ※ただし漢語や外来語等(勉強する/スポーツする等)がつくとそれも「サ変」と見なしますから注意を。
さてこの2つ以外はどうなのか。安心してください。ちゃんと見分け方はあります。
- 未然形を作る(~ナイにつながる形です) ※ちなみに「作る」は五段活用
- 活用語尾(変化する部分・ナイの一文字前)を伸ばして発音する。 ※ちなみに「発音する」はサ変
- 伸ばして残る母音が
ア⇒五段活用
イ⇒上一段活用
ウ⇒下一段活用
となるわけです。
◇活用形
「動詞」はその使われる場所で“語形が変わる”のですよね。『活用形』とは、その変わり方を表す言葉です。
活用形には【未然形】【連用形】【終止形】【連体形】【仮定形】【命令形】の6種類があります。この6種の形は、そのあとにどんな言葉が続くかによって見分けます。
- 未然形…ナイ・ウ・ヨウ
- 連用形…テ・タ・マス
- 終止形…言い切り
- 連体形…トキ・コト
- 仮定形…~バ
- 命令形…命令の形で言い切り
右側の語が続くときにそれぞれの活用形となるのです。
動 詞 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 |
続く言葉 | ナイ/ウ・ヨウ | マス・テ・タ | 言い切り | トキ・コト | ~バ | 命令で言い切り |
①推 す | 推さ/推そ | 推 し | 推 す | 推 す | 推 せ | 推 せ |
②映える | 映 え | 映 え | 映える | 映える | 映えれ | 映えろ/映えよ |
③バズる | バズら/バズろ | バズり | バズる | バズる | バズれ | バズれ |
ちょっと例が教科書的ではないですが、みなさんになじみがある「動詞」を使うと上記の表のようになります。
活用形を見分けるには、表中の黄色の部分の語を覚えておきましょう。
最後に
今回も国語の文法で堅苦しかったかも知れません。
しかし、国文法(口語)は高校で学ぶ古典文法を理解していくためのベースになります。
また、「動詞」のはたらきを知ることは【英語】にも応用できます。
「動詞」とは単語としての分類ですが、「言葉の単位」としてその一つ上の「文節」を理解しておくと、
英作文で活用できます。
それはまた次の機会にでもお話しましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在はena個別河辺・小作校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。