こんにちは、個別教師Campライターの小室です。
模試や定期テストの勉強している際に、良く苦手としてあげられるのが「文化史」です。
しかし文化史というのはその時代の背景や権力者から読み取っていくと覚えやすくなります。
今回は「国風文化:宗教編」についてです。
【中学歴史・テストに出る】文化史の覚え方 ~国風文化:宗教編~ ◎前回内容のおさらい
前回の内容で、天平文化までを解説しました。
そこを改めて復習すると、
天平文化は、国家仏教が聖武天皇のもとでより色濃く出され、唐の文化も受けた、華やかで雄大な貴族中心の仏教文化でした。
国風文化は、平安時代に遣唐使の廃止により、唐などの文化の影響ではなく、日本の風土や生活感情に寄り添い生まれた文化です。
そのため、天平文化と比較すると、どちらも貴族中心の文化ですがその違いが大きくみることができます。
しかし、仏教色がなくなったというわけではなく、
平安時代にも新仏教が生まれているため、そこは覚えなければならない重要なポイントです。
しかし全体的に見れば、いわゆる「日本の文化」としてイメージされるものが代表的な時代であり、優美さが特徴的になっています。
平安の新仏教と言えば、最澄の天台宗・空海の真言宗です。
この後の鎌倉時代ではさらに鎌倉新仏教が出てきてしまうので、この2つの宗教はできるだけ早めに覚え、定着させておきましょう。
まず最澄の天台宗ですが、法華経を重視したものであり、比叡山の延暦寺を創建しました。
また、そのほかの覚えておかないといけない内容としては、『山家学生式』や『顕戒論』、円仁(天台座主)の山門派、円珍(円城寺別当)の寺門派になります。
次に空海の真言宗ですが、空海は高野山金剛峰寺を創建し、嵯峨天皇により教王護国寺を下賜され、
その後真言密教の根本道場となりました。
また、庶民のための教育を目的として教育施設である綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)も創建しています。
さらにこの時代には、日本固有の神々の信仰と仏教信仰が融合する神仏習合(しんぶつしゅうごう)が進展し、
神宮司や薬師寺僧形八幡神像の安置、本地垂迹説(ほんじすいじゃくせつ)や天台・真言宗をはじめとした仏教信仰と、
日本古来の山岳信仰とが合わさり、山で山伏が加持祈祷を行う修験道なども現れています。
また、阿弥陀仏の救いを信じて極楽浄土に往生することを願う教えと信仰を指す、浄土教信仰では、
空也(くうや)が京の市で念仏を説いています。空也は「空也上人立像」が有名なので資料と合わせて覚えておいてください。
【中学歴史・テストに出る】文化史の覚え方 ~国風文化:宗教編~ ◎まとめ
国風文化は特徴が多いため、覚えることが多く大変な内容ですが、資料と合わせながら視覚からも覚えていくようにしましょう。
小室
【略歴】
学生時代から個別指導塾で講師として研鑽を積み、現在はena個別牛浜の校長を務める。
大学在学時に中学・高校の社会科の教員免許を取得。
中学受験では都立南多摩中・立川国際中・私立明治大学中野八王子中などの指導実績あり。
高校受験では都立高全般の指導を行う。
これまでの経験を踏まえ、社会科分野を中心に受験に役に立つ情報を発信していきます。