こんにちは、個別教師Campライターの小室です。
模試や定期テストの勉強している際に、良く苦手としてあげられるのが「文化史」です。
しかし文化史というのはその時代の背景や権力者から読み取っていくと覚えやすくなります。
今回は「弘仁・貞観文化、国風文化、院政期の文化」についてです。
【中学～高校日本史・テストに出る】 文化史の覚え方 ～弘仁・貞観文化、 国風文化、院政期の文化 ～ ◎弘仁・貞観文化
前回の内容で、国風文化の宗教についてを解説しました。
平安時代と言えばメインは国風文化になるのですが、文化としては大きく3つに分けられます。
それが、「弘仁・貞観文化」「国風文化」「院政期の文化」です。
その中でも、弘仁・貞観文化とは平安時代前期の9世紀の文化です。この文化はまだ唐文化の影響を受けながらも、次第にそれが消化されていった文化です。
そのため、建築・彫刻の分野では、
室生寺金堂・五重塔、
一木造り、翻波式衣文（ほんぱしきえもん）、
神護寺薬師如来像、観心寺如意輪観音像、東寺不動明王像
が代表的なものとして挙げられます。
絵画については
曼荼羅、両界曼荼羅 がこの時代なので、漢字も含めて書けるようにしておきましょう。
漢詩は勅撰漢詩文集として
『凌雲集』、『文化秀麗集』、『経国集』や
空海の『性霊集』をおさえておきましょう。
また、歴史書である
『続日本紀』や『日本後記』などの六国史の編纂も始まりました。
教育では、
大学別曹として 弘文院、勧学院、学館院、奨学院や
庶民教育のために空海により綜芸種智院（しゅげいしゅちいん）が置かれました。
このように弘仁・貞観文化は唐文化の影響に加えて、前回取り組んだ平安仏教で出てきた空海などの色が濃くなっています。
【中学～高校日本史・テストに出る】 文化史の覚え方 ～弘仁・貞観文化、 国風文化、院政期の文化 ～ ◎国風文化
国風文化は皆さんがイメージする日本文化の根幹であり、優美で繊細な貴族文化です。
また、この時代は浄土教の芸術が発生した時代でもあります。
国風文化は貴族的な文化と前述しましたが、国風文化は藤原文化と言われることもあるように、平安時代に栄華を極めた藤原家から名前がとられています。
十二単（じゅうにひとえ）や狩衣（かりぎぬ）、蹴鞠（けまり）などもイメージしやすいかと思いますが、
この時代は遣唐使の廃止により日本文化独自の「かな文字」が生まれた時代です。
当時の認識としては、漢字は男性が使うもの、仕事の面で使うものというかたい印象を受ける文字でしたが、
かな文字は女性が使う、やわらかい印象を与える文字として認識されていました。
だからこそこの文化は文芸作品が多く、
『古今和歌集』、『竹取物語』、『宇津保物語』
『源氏物語』、『蜻蛉日記』、『枕草子』
など覚えなければならないものが多くあります。
また、これらの文芸作品は必ず作者も合わせて覚えておきましょう。
また、建築・彫刻・絵画では、貴族的な造りである
寝殿造や藤原道長の息子の藤原頼通が建てた平等院鳳凰堂、
寄木造でつくられた平等院鳳凰堂阿弥陀如来像、聖衆来迎図を覚えておきましょう。
【中学～高校日本史・テストに出る】 文化史の覚え方 ～弘仁・貞観文化、 国風文化、院政期の文化 ～ ◎院政期の文化
院政期は1086年に白河上皇が院政を始めてからの平安時代後期になるので、
武士が誕生し、源平に関連することも文化の特徴となっています。
平清盛をまつった厳島神社（いつくしまじんじゃ）の『平家納経』や、
源義経が育ち、後に源頼朝から義経を守ろうとした奥州藤原氏が建てさせた平泉の中尊寺金色堂、
武士や民衆がメインとして書かれた『将門記』、『今昔物語』、『梁塵秘抄』や歴史物語である『栄花物語』、『大鏡』も代表的なものとしてあげられます。
平安時代の文化は特徴が多いため、覚えることが多く大変な内容ですが、
資料と合わせながら視覚からも覚えていくようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
小室
【略歴】
学生時代から個別指導塾で講師として研鑽を積み、現在はena個別牛浜の校長を務める。
大学在学時に中学・高校の社会科の教員免許を取得。
中学受験では都立南多摩中・立川国際中・私立明治大学中野八王子中などの指導実績あり。
高校受験では都立高全般の指導を行う。
これまでの経験を踏まえ、社会科分野を中心に受験に役に立つ情報を発信していきます。
