こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
11月も下旬になりました。受験に向けて対策は順調ですか。
“継続は力なり”
計画と継続こそが命です。周到な準備で臨みましょう!
さて今回で4回目の「読解力」
今日は「文学的文章」の具体的な“読解の方法”をつづってみます。
物語文(文学的文章)の読み方のコツ
前回の「説明文・論説文」に続きまして、
「物語(文学的文章)」を。今回もできるだけ必要最小限にしぼっておきます。
1.掲載場面についての情報をチェック
定期テストであれば、それまでの授業で扱ったものですので
テストに取り上げられた場面はどういった場面なのかが分かりやすいですね。
しかし模試など実力テストだと、出題される文章はほぼ初見です。
ここで考えてほしいのですが、文章の初めには必ず掲載した場面までのあらすじがあります。
これが第一のチェックポイントです。
「説明文・論説文」の場合には、こういった出だしではありませんね。ではなぜか。
理由は簡単です。
この情報が無いと物語の読解が正しくできないからです。
ということは、この出だしの2~3行の書き出しからしっかりと情報収集しておくことがまずは大切なアプローチですね。
2.出来事をチェック
物語の展開を読み解く上で必要なことは3つ挙げられます。まずは1番目として
【出来事】
文章内でどういった出来事が起こるのか。またはどういった状況なのか。
そこから想像力を働かせていくことが大事です。
状況が違えば、読み取り方も変わるからです。
例えば…
「あっと息をのんだ」というシーンを
①富士山の頂上の夜明け
②断崖絶壁
③豪華なコース料理を前にして
の3パターンで考えてみると
①は、日の出に感動したところかも知れませんし、
②は足がすくんで転落しそうになる恐怖かも知れません。
③は驚きとともにこれから食べてやるぞ!という食欲を感じられるでしょう。
つまりどういう場面(場所)なのかを知ることが第一歩です。
2.言動をチェック
次は、「言動」のチェックです。
どの人物の動作か、セリフか。
セリフの言葉もですが、動作にも心情が現れます。
静かに言うのか、元気に言うのか、つぶやくように言うのか、叫ぶように言うのか。
この4つの言い方だけでも人物の心情が想像しやすいと思います。
更にどんな言葉を発するか。
「アイ~ン」という言葉でもいいです。
上の4パターンに当てはめてみましょう。
④「アイ~ン」と静かに言った。
⑤「アイ~ン」と元気に言った。
⑥「アイ~ン」とつぶやくように言った。
⑦「アイ~ン」と叫ぶように言った。
④は、ギャグのあとにスベッたのでしょうか。もしくはギャグをいう元気がなかったのか。
⑤は、ここぞというタイミングでギャグをかましてきた感がありますね。
⑥は、悲しい出来事でもあったのでしょうか。それともつらいことを思い出しながらなのでしょうか。
⑦は、浜辺で未来に向けての希望の気持ちを表したものか。
ふとその光景が思い浮かぶことがあると思います。
読解とは簡潔に言えばそういうことの積み重ねです。
3.感情(気持ち)をチェック
3つ目は「感情(気持ち)」です。ここまでの1・2もすべてここに繋がるものといってもいいでしょう。
登場人物の感情を知ること、そしてどのように変化していくのかどうか。
これが文学的文章の究極の読解といっても差支えは無いと思います。
「感情」を知るためには、場面と出来事と言動から読み取れるわけです。
あくまでも登場人物になり切ることが大切です。
これができずに、自分自身の感覚のままで読み進めるとちんぷんかんぷんになる可能性が高いです。
情景描写にも気を付けて読むことが理解を助けてくれることも多いです。
朝や昼、夜中といった時間的なこともそうですし、そよ風が吹くか、木々を揺らす強風かでもその後の展開が予測しやすいと思います。
そういった点を読み落とさないように気を付けましょう。
最終チェック
テストでは答え方にも気を付けて下さい。
記述なら書き抜きなのか、自分でまとめるのか。
記号なら適切なものを選ぶのか、適切でないものを選ぶのか。
問題文を正しく読むことも留意点ですね。
今回もありがとうございました。また次回お会いしましょう。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在はena個別河辺・小作校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。