こんにちは、個別教師Campライターの瀧本です。
桃の節句も終わり、
まだまだ寒い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
大学入試の結果待ち状態の現高3生の方もいらっしゃると思います。
さて、こちらブログのシリーズでは、新高2・新高3のみなさんに向けて、
大学入試の動向について、いわゆる一般選抜ではない「推薦入試」のお話をしてきました。
😐 高1からの成績は微妙だし、指定校推薦とか無理だし~
😕 総合型推薦??よくわかんないし~
という方、こちらの記事を読んで、今から進路のことを考えてみませんか。
前回のブログで選抜方法の種類について、
さらに具体的に、出願要件についてまとめてみました。
また、多くの大学・学部で課される小論文についてもこちらの記事にまとめています。
続く回では、学力検査(ペーパーテスト)の実態について見ていきました。
いわゆる推薦入試で入学すること=NO勉でイケる!!というわけではなく、
むしろ学部や大学側は、何の形式であれ入学する学生たち全員に対して
一定以上の学力を求めていることがわかります(当然といえば当然のことでした)。
さて、このシリーズの締めくくりになりますが、
大学入試の最新トピックスについてまとめてみました。
前回記事では「大学の理系選択をする女子受験生」をさして「リケジョ」としましたが
このリケジョを増やすような全国の国立・各大学の取り組みを見ていきました。
今回はトピックスその2と題しまして、
私大の定員厳格化の流れについてまとめてみました。
【大学入試の動向をチェック】私大・定員厳格化でどうなる?大学入試トピックスその2 ◎3月になっても大学が決まらない理由は
2016年度入試から、私立大学の定員管理厳格化が始まりました。
その時期からよく聞くこととして、
これまで模試でA判定だった生徒も不合格、
3月になってようやく補欠合格の繰り上げがあり手続きが大変だったなど、
入学式のある4月直前、最後の最後まで受験生が安心することのできない事態が続いていました。
このように、受験生が右往左往する状況はどうして生まれたのでしょうか。
そもそも、定員管理厳格化というのはどういうことなのでしょうか。
【大学入試の動向をチェック】私大・定員厳格化でどうなる?大学入試トピックスその2 ◎定員管理厳格化とは
簡単に言えば、入学定員より合格者を多く出した私立大学に対して、
国からの経常費補助金の配分基準を厳しくする(お金は出しません)、というルールです。
国からの補助金が大事な私大にとっては、この厳格化のルールは大変な問題です。
大学入試は第一志望だけを受けるわけではなく、一人の受験生でいわゆる「滑り止め」を作っておく必要から、
たくさん併願校に受験することがありますよね。
そうすると、合格してもその大学に入らない事態が出てきます。
合格者=入学者というわけではありません。
そこで、大学側としても過去のデータに基づき、合格者の人数を決めていきます。
定員より時には何倍もの人数を合格者に回すことがあるわけです。
その結果、本来の定員を大きく上回る数の生徒が入学する事態が起こり、
文部科学省も看過できない問題として対策に乗り出した、というわけですね。
🙄 別に合格者たくさん出してもよくな~い??
と疑問に思うわけですが、ここにはやはり別の問題が隠されていて、
たとえば主要都市の私大がこぞって合格者を本来の人数よりも超過して獲得することによって、
地方都市の私大に人が集まらなくなる可能性があるというわけです。
なお、数字にしてみると規模がよく分かると思うのですが、
私立大学の入学定員は2014年度時点では約4万5000人も超過しており、
そのおよそ80%となる約3万6000人が東京・大阪・名古屋の3大都市圏の私立大学に集中していたということですから、
ここに危機感を持った文部科学省が、合格者超過を行う大学へペナルティを課して国から補助金を出さないという流れになったのですね。
そして繰り上げ合格については、大学が補助金をカットされない程度の人数の調整措置ということになりますが、受験生にとっては混乱のもとになりました。
【大学入試の動向をチェック】私大・定員厳格化でどうなる?大学入試トピックスその2 ◎やはり緩和?抑制?
この厳格化の流れは上記のような混乱を招き、
一転して2023年度から定員管理方式が変更され、実質緩和となりました。
しかし、基準を緩和しても、定員管理はなくなるわけではありません。
これまで、学年単位で慎重に定員管理をしていた私大は、新型コロナウィルスのあおりをうけて中退者が続出、
そうした理由での定員不足にも陥っていたため、2023年度では多くの合格者を出すことでその補填を行いました。
しかし、多めに入学者を出した分、次の年度では入学者を抑えなければいけなくなります。
また、緩和といっても定員管理は続いていて、超過率の上限は毎年引き下げられており、
新課程入試もあいまって、私大入試はどんどん難化しているとみていかなければならないと思います。
私大入試はラク、ということにはならないというわけですね……
【大学入試の動向をチェック】私大・定員厳格化でどうなる?大学入試トピックスその2 ◎早くから選択肢をもっておく
何度もこのシリーズでお伝えしているような気がしますが、
やはり大学入試は高校1年から始まっていると思った方がよさそうです。
もちろん、受験勉強の本格化は人それぞれのタイミングがあるでしょうが、
志望校があれば、どのような方式でも受けてたつ!という気持ちで、
時には総合型選抜や学校推薦型も視野に入れつつ、
学年問わず大学受験については、早くから計画的に動くことも大事なことかと思います。
【大学入試の動向をチェック】私大・定員厳格化でどうなる?大学入試トピックスその2 ◎まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は大学入試のトピックスとして
私大・定員厳格化の流れを見ていきました。
入試については不安要素が多くても、みなさん同じ状況です。
さまざまな情報を見極めながら、受験の体勢をすこしずつ整えていきましょう!
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
瀧本
【略歴】
私立大学大学院修了(哲学)。大学院在籍時よりパリ第七大学に留学、帰国後仏語通訳ガイドをしつつ塾講師、家庭教師、通信制高校非常勤講師を務める。
大学院終了後個別指導塾校長を経て個別ena校長に。中学・高校・大学入試を幅広くフォローし、
これまで難関私立中、三鷹中、立川国際中など都立中高一貫校、都立高校の指導重点校や大学附属私立高、GMARCH・早慶上智などへの合格者多数輩出。また、15年以上の指導歴をふまえ、様々な理由から成績不振に陥ってしまった生徒や、不登校生徒をもつ家庭へ包括的なアドバイスも行う。指導のモットーは「遊んで学べ、学んで遊べ」。
個人の主張と対話を育てる小論文指導を得意とする。
こちらのブログには学習・進学に役立つ情報だけでなく、ちょっとした息抜きになるような雑学コラムも載せていきます。