こんにちは! 個別教師キャンプの山形です。
年末も差し迫ってきました。
受験も目前に迫り、少しずつ体に緊張が走るようになってくるのではないでしょうか。
これからどんどん、本当に寒くなります。
食べるもの、防寒対策、睡眠時間など、生活を構成する要素を
一つ一つ大切にして日々を過ごしましょう。
さて……いきなりですが問題です。
山梨県ではある2種類の果物の生産量が全国1位になります。
どんな果物が1位なのか、わかりますか? 以下の果物の中に答えはあります。
a日本ナシ bサクランボ cもも dみかん eぶどう fりんご
・・・・・・・・
正解は cもも eぶどう でした!
では、もしこんな問題が出題されたらどのように答えますか?
Q「山梨県における桃とブドウの果物生産量は全国1位です。
では、なぜ生産量がここまで多いのか、地理的特徴を踏まえて40字~50字程度で答えなさい」
40字~50字の文量というと、答えに直結する要素を
必要最低限で正確にまとめなければいけない記述問題ですね。
この問題のポイントは以下の二点を含めることです。
・昼夜の寒暖の差が大きいこと
・水はけのよい扇状地が果樹栽培に適していること
この2点を満たしているのが甲府盆地となります。
この問題は山梨県を題材とする大問では定番の問題になります。
しかし基礎的な問題だからこそ、しっかりと理解しておく必要があります。
今回はこの問題について、考えていきましょう。
〇昼夜の寒暖の差が大きいことが、どうして果物の生産量と関係あるの?
果物の甘みが増す時間帯があるって知っていますか?それは昼間です。
理科で習ったかと思いますが、植物は昼間に日光を浴びて光合成をおこない、糖を生成します。
そして果物は、生成された糖を蓄えようとしますが、呼吸によって生成された糖が消費されます。
ここでポイントなのが、夜間の気温が低いと呼吸の数が少なくなり糖の消費も抑えられることです。
そのため寒暖差が大きいことにより、気温が高い日中に糖を生成・蓄え、
気温が低くなる夜間帯は糖をあまり消費しないため、果物はより甘くなります。
そのため、該当する地域の果物は甘みが良く、特産品として人気を高め、生産量が多いことに繋がります。
〇水はけのよい扇状地が果樹栽培に適していること
そもそも扇状地ってどんな特徴を持っていましたか?
このことを考える際に、川の三つの作用を思い出す必要があります。
1 浸食作用:流れる水が地面や川岸を削る働き
2 運搬作用:流れる水が槌谷石を運ぶ働き
3 堆積作用:流れる水が運んできた土や石を積もらせる働き
まず、山に挟まれた谷(V字谷)を流れる川が山の川端を削り、土や石を運搬します。
そして川が山地から平地に出るところで川の傾きが急に緩やかになり、流れも急に遅くなります。
その時に堆積作用が強まることで川底に(比較的大きめの)小石や砂が堆積していきます。
その結果として、雨が降っても表面上の土に水が溜まりにくい土地が形成されていきます。
(細かい砂が積もっている砂場に水を流し込むと水たまりができますが、
上の写真のように比較的大きめの石が積もっている場所に水を流しても、隙間を通じて水が流れ落ちてしまうと思います。)
そして果樹栽培では、必要以上の水は根が枯れる原因になり、
他方で、与える水が少ないほど甘くなるような品種もあるようです。
そのため、水はけのよい扇状地が果樹園利用として好まれます。
(逆に水はけがいいため、水田利用には不適です。)
たとえば回答を書くとしたら次のようになります。
「山梨県の甲府盆地は昼夜の寒暖差が大きく、水はけのよい扇状地が果樹栽培に適しているため。」(43字)
上記に類似した問題が2024年度三田国際学園中学の第一回入試にて出題されるなど、
入試で出会う可能性のある問題です。
ぜひ、学んだことを自分の知識として消化して、入試に挑みましょう。
本日も最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。