みなさんこんにちは。個別教師campです。
今日のテーマは、「フェイクを見破れ!」です。
このテーマは私が数学の学習指導要領が2025年から変更になることを踏まえ、教科書を見ていたところ、学生時代とは異なった視点で見た範囲があり思いつきました。
その範囲は数学Ⅰ「データの利用」についてです。きっと勉強したことがある皆さんは、「あの共通テストにしか出ない単元ね。」とか「あの数学っぽくない範囲か。」などと思ったかと思います。
当時の私も変わってるなーと思いつつ勉強していましたが、大学・社会人と経験してきてこの範囲の重要性がわかってきたのです!
ではここからクイズです。
第一問「日本の20代の平均貯蓄額は何万円でしょうか。」
令和4年の金融行動に関する世論調査(単身世帯)では平均値は176万円でした。
しかし中央値はというと、なんと20万円でした。
これは平均値を取ると極端な値、いわゆる「外れ値」まで計算に入ってきます。
この話から分かることは、平均値と中央値には大きな乖離が発生する場合があり、実態に即したデータで事実を捉えることが重要だという事ですね。
第二問「アイスクリームが良く売れる日には水難事故が多発する。そのためアイスクリームが水難事故を発生させる原因である。」という主張の間違いを指摘してください。
この主張が明らかにおかしいことは分かると思います。
ただ、アイスクリームが良く売れる日に水難事故が多いのも事実でした。
この場合どう指摘したら良いのでしょうか。
これは「相関関係と因果関係を混同しているからおかしい。」が正解になります。
つまり、アイスクリームの売り上げと水難事故には相関関係があるが、因果関係は無いという事です。因果関係は暑さが理由ですよね。
このようにデータは正しくても誤った結論を導き出すことはしばしばみられます。
3問目「東京都で共通テストの平均点のインタビューをしたところ800点だった。つまり東京都の受験生は他県の受験生よりも優れている。」これは真か偽か。
一見問題なさそうですが…勘のいい人は気が付いたかもしれません。
共通テストの平均点が800点なんてことあるのでしょうか。800点は約9割の得点になりますね。
そうです。このデータを取ったのは皆さんご存じの東京大学の赤門の前です。
つまりこれは、東大生をターゲットにしたインタビューを「東京都」という大きな主語に変えることで、データを受け取った側を意図的に騙そうとしています。
この問題は、データそのものは間違えていないため、データを伝える側が恣意的にデータを使っていると言えるでしょう。
第4問「この市場のデータを見ると標準偏差と分散が非常に大きいので、もはや予測を立てても意味はないです。だから投資を止めましょう。」と証券マンに言われた。どうするべきか。
これまでの3問と違って少し難しいかもしれません。
これはデータの性質と標準偏差と分散という言葉の意味を理解する必要があります。
まず、考えるのは標準偏差・分散が大きい→予測が意味をなさないという因果関係は果たして正解なのかを考えると、確かに標準偏差・分散が大きいという事はデータのバラつきが大きいことを示していると言えるでしょう。
ただ、それ“だけ”をもって予測が意味をなさないと言えるのかはまた別の問題な気がします。
難しい言葉とそれっぽい理屈で過度に不安を煽っているのかも知れません。
まとめ
4問のクイズはいかがでしたか。
こんな分かりやすかったら流石に分かるという人もいたと思います。
ただ、実際のところここまで分かりやすい場合はあまりなく、むしろ今のフェイクの方法を組み合わせている場合やそもそものテーマが難解な場合もあるかと思います。
ただ、フェイクのタネになっていることは基本的に数学Ⅰのデータの範囲で学ぶことがベースになっていることが多いです。
以上から、データの範囲は共通テストだけではなく、皆さんの将来にわたって使える知識を与えてくれる単元と言えるでしょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。