皆さんこんにちは。個別教師Camp事務局です。
今回は2022年からスタートした
高校の歴史の授業「歴史総合」を改めて解説していきます。
一体、世界史A・日本史Aと何が異なっているのか、
なぜ「歴史総合」という授業に集約されたのかということをメインに説明していきます。
【高校・社会】イマドキの歴史の授業とは!? ◎そもそも「歴史総合」とは?
歴史総合とは、2022年から高校で必修化された新しい社会科の授業です。
これまでは「世界史A」「日本史A」などを選んで学んでいましたが、
それらを一本にまとめて「日本と世界の繋がり」を軸に学ぶのがこの科目です。
対象とするのは近代化がスタートした18世紀からとなっており、今の私たちの暮らしに直接つながる時代をメインで勉強します。
【高校・社会】イマドキの歴史の授業とは!? ◎なぜ総合なのか?
従来の教科(世界史・日本史)では日本と世界の出来事は別々に学習しました(保護者の方はよくご存じだと思います)。
しかし、それだと、
「明治維新がなぜおきたのか」、
「戦争の背景には何があったのか」など
本質的な回答にたどりつきにくかったのです。
歴史総合では「日本が西洋列強の中でどう立ち回ったのか」や「戦争と平和の構造」などを
越境的かつ総合的に考えていきます。
【高校・社会】イマドキの歴史の授業とは!? ◎暗記ではなく「考える授業」
もう一つの大きな特徴は「問いから始まる学び」です。
「なぜ戦争は繰り返すのか」
「なぜ日本は経済大国になれたのか」といった問いに対し、
生徒自身が読み解き、考え、意見を表現する力が求められます。
つまり、「暗記型」から「思考型」への授業に代わってきているのです。
【高校・社会】イマドキの歴史の授業とは!? ◎歴史総合の視点は難関大にも…
実は「歴史総合」で重視されている視点、
つまり「なぜその出来事が起こったのか」「世界の関係の中でどう位置付けられるのか」といった問いは
昔から東大や一橋大学などの難関大学の記述問題で求められてきた視点とよく似ています。
例えば、一つの国の出来事を知っているだけでは答えられないような、
大局的な流れの中での因果関係や構造を問う論述問題などにどう対応するのか?
それは個別の知識ではなく、「その背景にある動き」や「他の国との比較」など広い視野と深い理解が必要になってきます。
つまり、今の高校生が学習している歴史総合は「考える力を育てる」といった意味では、むしろより本質的で実践的になっているといえると思います。
ビスマルク(1815-1898)
【高校・社会】イマドキの歴史の授業とは!? ◎まとめ
歴史総合はこれまで以上に複雑化した答えのない社会において生きる力を育てる授業といえると思います。
鉄血宰相と呼ばれたドイツのビスマルクは
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉を発したと言われています。
歴史を主体的に学ぶことは未来を作っていくことに繋がっていくと言えるでしょう。
本日もお読みいただきありがとうございました。