富山県の公立高校受験対策

　富山県の公立高校の入試には「推薦選抜」「一般選抜」があります。 推薦選抜では学力検査は実施せず、内申点・面接で合否を判断します。学校によっては作文・実技検査を実施するところもあります。内申点は中学２・３年のものが見られ、３年時の内申は２倍に換算されます。３年の２学期まで定期テストの対策をしっかりとしておきましょう。２年の９教科（４５点満点）＋３年の９教科（４５点×２＝９０点満点）＋学習の記録以外の評定（１５点満点）の１５０点満点となります。

一般選抜では学力検査を実施し、２日間に分けて行われます。面接・実技検査を実施するところもあります。学力検査は国語・数学・英語・理科・社会各４０点満点の計２００点満点です。それぞれテスト時間は５０分となっています。内申点は推薦選抜と同様、１５０点満点となっています。内申点または学力検査点が定員の上位１０％以内にある場合は、どちらか一方の成績だけで判定することができます。

ここでは主に、学力検査（一般入試）の対策について述べていきます。

富山県の公立高校の一般入試の傾向と対策

富山県の公立高校の国語

　大問５題構成が定着してきています。大問１では漢字の読み書きが必出です。こちらは教科書を用いて対策しましょう。大問２は論説文読解で、内容理解を問われる問題が中心になっています。また、熟語・ことわざ・慣用句・品詞などの問題も出題されます。大問３は小説文読解で、心情理解が中心に問われます。大問４は古文で、内容理解だけでなく語句や文法、歴史的仮名遣いなどの知識問題も出題されます。基本的なことをしっかりおさえておきましょう。大問５は課題作文です。１８０字から２２０字以内という条件でテーマが与えられ、自分の意見をまとめます。２００字程度で文章を書く練習をして、慣れたら時間を計って書いてみましょう。

富山県の公立高校の数学

　大問数で８問前後、小問数で３０問前後が定着してきています。大問１で中学数学の全領域からまんべんなく基本的な小問群がここ数年間は出題されています。これらは確実に得点できる問題なので必ず落とさないように日頃の授業の予習・復習をしっかりしておきましょう。大問２以降は、図形と関数・方程式の応用・規則性・代表値・空間図形などから出題されます。これらのものは、多くのパターンの問題を取り組んで思考力をしっかりと身に付けて対策しておきましょう。問題量が比較的多いため、時間配分にも注意しながら解き進めましょう。

富山県の公立高校の英語

　２０２１年度はリスニング・会話文読解・長文読解・文法・英作文問題という構成でした。リスニング問題は、分量は標準的なものになっており、絵やグラフを用いた問題や、英語の質問に答える問題が毎年出題されています。長文読解は、英文の数がかなり多く、長めのものになっています。出題形式は文の挿入・日本語記述・内容真偽がよく出題されます。英作文問題では、２５以上の英文を作成することが求められました。難しい表現を使おうとせず、さまざまなテーマで書けるように練習する必要があります。日頃から練習をして、学校や塾で英作文をチェックしてもらうようにしましょう。

富山県の公立高校の理科

　物理・化学・生物・地学の各分野からバランスよく出題されます。大問の中心となる単元は毎年異なります。苦手な単元はなるべくなくし、全分野まんべんなく対策しておきましょう。実験・観察を通して、探求の道筋を問われる問題が多いです。基本的な用語は必ず正しくおさえておき、日頃の授業では目的・方法・考察などを意識しながら実験に取り組みましょう。自然の事象を考察する問題も出題されるため、身近に発生した現象を考察し、生じた疑問を調べるようにする姿勢も大事です。

富山県の公立高校の社会

　２０２１年度の出題数は、大問７題・小問３９題構成でした。地理的分野では、地図や表などの資料から読み取って世界と日本の諸地域の特色が問われました。資料の読み取りに慣れておき、問題集でさまざまな問題を解いておきましょう。歴史的分野では、年表・写真などを読み取って書く時代の特色が聞かれます。世界史も出題されるのでそちらもおさえておくことと、歴史の流れをつかんでおくことが必要です。ノートに流れを整理しておくと良いでしょう。公民的分野では、政治の仕組みや経済一般が毎年出題されます。時事的な内容の問題が出題されることもあるので、日頃から新聞・テレビなどを活用してニュースにも注目しておきましょう。

　富山県の県立高校入試は他県と比べかなり易しく、難関高校を目指すような生徒にとってはほとんど満点のような点数が取れることでしょう。それらを踏まえると、当日の緊張に弱い方はいっそ推薦の方にも力を入れてみる、などの他県とは違った対策の仕方が必要になるかもしれません。

富山県の公立高上位校に向けた内申点対策

　前述した通り一般選抜の難易度が易しく、点差はほとんどつきません。そのため、入試全体として、「何点取れるか」よりも「失点をどれだけ抑えられるか」という勝負になります。そして当然難関高校を目指す生徒は学校の評定も総じて高いため一つ評定を落とすだけで入試の合格率に比較的大きな影響を与えてしまいます。そのため満点、とは言わずともそれに近い点数をとっておかないと、入試当日かなりの挽回が必要となります。特に3年生の評定は入試の２科目分以上の配点があるのでここであまり低い点数をとっていると学力検査が満点でも不合格になりかねません。「一発逆転合格」はほぼないものだと思って早いうちから対策しておきましょう。

富山県の公立高上位校に向けた一般入試対策

　富山県の公立上位校では少なくとも８割、富山中部の探究科学科のような県内最難関の場合は９割以上を目指しましょう。（年度にもよりますが、９割を切って合格するには満点近い評定が必要だと思いましょう）。 　高校入試に限らず高い得点率が求められる場合は難しい問題を解く力以上に、日々の勉強からミスを減らす練習・工夫をすることが重要になります。どの教科においても「ミスを減らす力」「見直しでミスを見つける力」を鍛えましょう。

富山県の公立高校の入試日程

　例年、推薦入試が２月中旬に行われ、一週間ほどで内定通知が出されます。その後、３月上旬に一般選抜が行われます。こちらも一週間ほどで合格発表されます。

富山県の公立高校の入試内容

　富山県の公立高校の入試には「推薦選抜」「一般選抜」があります。 推薦選抜では学力検査は実施せず、内申点・面接で合否を判断します。学校によっては作文・実技検査を実施するところもあります。内申点は中学２・３年のものが見られ、３年時の内申は２倍に換算されます。３年の２学期まで定期テストの対策をしっかりとしておきましょう。２年の９教科（４５点満点）＋３年の９教科（４５点×２＝９０点満点）＋学習の記録以外の評定（１５点満点）の１５０点満点となります。学習の記録以外も点数化されるので普段から学校生活での態度などにも意識しておく必要があります。傾斜配点を実施する学校もあります。定員は専門学科（理数科学科、人文社会科学科、国際科、国際交流科を除く）は募集定員の５０％以内、普通科のコースは募集定員の５０％以内、体育、音楽コースは募集定員の６０％以内、理数科学科、人文社会科学科、国際科、国際交流科、総合学科は募集定員の４０％以内、コースを除く普通科は募集定員の１０％以内という比率になっています。推薦選抜で合格とならなかった場合は、一般選抜にて改めて出願することができます。

一般選抜では学力検査を実施し、２日間に分けて行われます。面接・実技検査を実施するところもあります。学力検査は国語・数学・英語・理科・社会各４０点満点の計２００点満点です。それぞれテスト時間は５０分となっています。内申点は推薦選抜と同様、１５０点満点となっています。内申点または学力検査点が定員の上位１０％以内にある場合は、どちらか一方の成績だけで判定することができます。 学力検査を欠席した者のうち、インフルエンザなどにより別室での受検も困難な者、やむを得ない理由のある者に限り追検査の受検が可能です。

富山県の公立高校の学区域

　富山県は以下のように４つの学区に分かれています

《新川学区》魚津市・黒部市・滑川市・下新川郡・中新川郡

《富山学区》富山市

《高岡学区》射水市・高岡市・氷見市

《砺波学区》小矢部市・砺波市・南砺市

※富山学区・砺波学区相互間を除き、原則として生徒の住所と同じもしくは隣接する学区の高校に通うこととなっています。 学区については年々全国的に撤廃されて行っているので今年度変化がないかなどもしっかり確認しましょう。

～志望校別学習プラン～

　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　

	対象校	学習内容
プランA	富山中部高校（探究科学科）・富山高校（探究科学科）・高岡高校（人文社会科・理数科）・高岡高校（普通科）・富山中部高校（普通科）・富山高校（普通科）・砺波高校（普通科）・魚津高校（普通科）・富山東高校（普通科）・高岡南高校（普通科）など	上位校向けのハイレベルなテキストで中3夏までに全単元の学習を終えるように進めていき、夏からは入試対策に特化します。
プランB	福岡高校（普通科）・富山南高校（普通科）・桜井高校（普通科）・南砺福野高校（普通科）・呉羽高校（普通科音楽コース）・大門高校（普通科）・富山いずみ高校（総合学科・看護科）など	公立高校向けのテキストと教科書準拠ワークを併用します。入試に向けた学習を行いながら定期テスト前には内申点対策としてテスト対策を行います。
プランC	上記以外の富山県立高校	定期テスト対策を行い、内申点を確保します。2学期期末テスト後から入試対策に向けた演習を行います。