こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
今回は「試行錯誤」ということについて書いてみようと思います。
試行錯誤できる子どもたち ①失敗を恐れるべからず
今さら私が書くまでもないことです。
「失敗を恐れるな!」
書店やネットで見る啓発本のタイトルや本文には、もうワゴンセールなみのてんこ盛り状態。幼馴染と言ってもいいくらいに付き合いの長いこの言葉。
では、皆さんご自身はそれを実行できているでしょうか。そして、お子さんに実行させていますか。
生徒さんの演習を見ていると、分かっている問題については鮮やかなくらいのスピードで解いてくれます。しかし、分からない問題に当たると何も書かない。判を押したように空欄です。生徒間に闇の取り決めでもあるかのようにぴったりと一致するこの行動。
なぜでしょうね。書いて間違うよりも書かずに×になる方がいいのでしょうか。
解答は完全でなければ〇にはなりません、確かに。しかし途中まででも解いたものを書いてくれればいいのにといつも思います。
ここで大切なのは、「ミスすること」を生徒たちが嫌がっているということですね。もちろんその考え方は間違っていません。しかし「ミスはしてもいいんだ」と伝えたところで状況は改善しないものです。
なぜか。それは「ミスを許容する」姿勢を私たちが持っていないからだと思います。
ですから先ずは「(繰り返しでなければ)ミスしてもいいんだ」と思わせるために、私たち大人は「失敗を許す」スタンスでいなければいけないでしょうね。
「失敗を恐れるべからず」
これは、学習面においては、もしかしたら私たちが、子供たちの失敗を「許容」する姿勢を持つことが最優先なのかもしれません。
試行錯誤できる子どもたち ②小さな挫折を経験してほしい
受験学年になると、内申点も含めて「失敗」をしにくい時期になります。ここでどんなに説いても子どもたちは「失敗」しようとしませんよね。だからこそ、その手前でたくさん「失敗」させた方がいいのです。
ではどうしていけばいいのか。ひとつの方法としては、子どもさんの学習について手を貸さないことだと思うことがあります。つまり「失敗しないように手を貸すこと」をやめることです。周囲で「失敗」しないように手を貸すと、当然失敗は減ります。大人が先回りして、失敗を避けるように導いてしまうからです。
その状況が続くと、子どもは自分で工夫しなくなるのではないでしょうか。失敗しそうになると周りが教えてくれるのです。失敗しそうだと予測することもできなくなるかもしれません。
私たち大人は、ヒントを出す程度でいいと思います。以前もブログで書いたかも知れませんが、私が気をつけているのは、
「ミスは自分で気づかせる」ことです。問題を解いたあと、生徒自身に必ず見直しを徹底してもらう。そのあとチェックしてミスがあれば、何か所ミスしたのかだけを伝えるのです。そして再度見直しをしてもらうだけです。
そうすると自分でミスに気づけるようになります。どう解き直すかも考えてもらうのです。
あとはその方法を継続することです。ついつい答えを教えたくもなります。自信をつけてほしくてミスさせないように導きたくもなります。でも堪えて下さい。
小さな挫折を経験させるためにです。大きな挫折を避けるために、手前で小さな挫折をたくさん経験させたいのです。
試行錯誤できる子どもたち ③完璧を目指すために失敗を重ねていく
失敗もなく頂点に登りつめる人は天才かも知れません。しかしそういった人は限られているでしょうし、失敗していないと後々が大変だと思います。
失敗を重ねる。ときに挫折感を味わう。それが健全な成長のプロセスだと思います。
スポーツでも、芸術でもその道のプロフェッショナルの方々は、やはり挫折を味わった方も多いですね。それが糧になるのでしょう。
挫折を味わうと、そこからの脱出方法も経験できます。だから小さな挫折で練習していくのです。経験していないことはできないものです。ちょっと話が大きくなってきていますが。。。
失敗を失敗と気づき、次に失敗しないように工夫し、それでもつい失敗し、またさらに工夫する。そういったことができるお子さんに成長してもらう。
宝石も、原石を磨き削ることによって美しい輝きを放ちますよね。みなさま方の大事なお子様たちも、“磨き削る”ことで本来の輝きを放ってほしいと思います。その“磨き削る”過程が、日々の小さな挫折でもあるのではないでしょうか。
試行錯誤できる子どもたち
子どもたちが何かをなし得たとき、必ずと言っていいほどミスを経験しているはずです。そしてそれを乗り越えたからこそ、何かをなし得ているはずなのです。
やはり子どものうちに、小さな挫折も味わっておいてほしい。挫折を知らずに大人になると、何かにつまずいた時に対処法が分からないことになりかねません。それを想像するだけで胸が苦しくなります。
〇転ばぬ先の杖
〇失敗させないために、失敗させる。
〇大きな挫折を味合わないようにするために、小さな挫折を経験させる。
これは私たち大人が子どもたちに与えられる、もしかすると一番の贈り物なのかも知れないと思ったりします。
今回は特に私の独断と偏見で書き綴りました。皆さんはどのようにお考えになられますか。
疑問や質問などありましたら、どんなことでも結構ですのでお尋ね下さい。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。