こんにちは、個別教師Campライターの後藤です。
前回、副教科(音楽・美術・技術家庭・保健体育)の勉強法をご紹介いたしましたが、調査書点(内申点)が高校受験合格のためになぜ大切か、ここでもう一度確認しておきましょう!
都立高校受験の仕組み
東京都立高等学校入学者選抜は、学力検査による選抜を行う「一般入試」と、個人面接や小論文(作文)などを課して選抜を行う「推薦入試」の2種類があります。
一般入試、推薦入試ともに、当日の学力検査の結果だけで合否を決めるのではなく、中学校の各教科の評定を点数化した調査書点(内申点)も重要になってきます。学力検査で点数が取れる学力を身につけるのはもちろん、調査書には中学校の学習の成果が表れるので、できるだけいい成績をとっておくことが大切です。
また、都立高校は他の都立高校と併願ができません。都立高校が第一希望の場合でも、私立高校の併願受験しておくのが一般的です。
都立高一般入試の選抜方法
一般入試は1000点満点で上位者から順に合格となります。当日受ける学力検査は5科目(国語・数学・英語・社会・理科)各100点満点で合計500点満点ですが、ほとんどの高校でその得点が700点満点に換算されます。
例:国語80点・数学60点・英語72点・社会85点・理科74点
⇒371点/500点満点
⇒519点/700点満点(小数点以下は切り捨て)
そして、残り300点分が調査書点(内申点)です。(学力検査と調査書点の比率が7:3と異なる高校もあります。)
調査書点の計算方法
調査書点は通知表の成績を以下のように計算します。
通知表(5段階評価)
例:国語4+数学3+英語3+社会4+理科3 →17
(音楽3・美術4・技家4・保体3)×2 →28
⇒45/65点満点
⇒207/300点満点(小数点以下は切り捨て)
高校入試は中1から始まっている!
計算してみて気が付いた人も多いと思いますが、都立高校一般入試では当日の試験の点数以外にも調査書点(内申点)がとても重要です!
調査書点(内申点)が足りていないと、当日の試験で500点満点を取ったとしても、合格できない可能性が出てきてしまいます。主要5教科の定期テスト対策はもちろん、実技4教科でも定期テストや提出物の提出など、手を抜かないことが必要です。
また、実際に受験に使われる内申点は中3になってからのものですが、「中3になったら頑張ればいい」というのは間違いです!!1,2年のときに3だった評定を中3になって5に上げるのは想像よりもずっと難しいことです。(それができるなら、1,2年生でも5を取れているはず・・。)
「頑張ればいい成績が取れる、まだ本気出してないだけ」と根拠のない自信を持つのではなく、今から頑張ることがいちばんの近道です。
副教科の成績が大切な理由
内申点では特に実技4教科が主要5教科の倍の比率になるので、内申点が1上がると1000点満点の総合得点では9.2点上がります。つまり実技4教科の内申点を1上げることは、当日の学力検査で6.4点取るのと同じです。
受験直前になると、1点でも2点でも多くテストの点を取りたくなることを考えると、「頑張るのは今」というのが現実味を帯びてきませんか?
内申点だけじゃない!調査書の記載内容
ここまで各教科の評定についてのみ触れてきましたが、実際に調査書に記載されるのは調査書点(内申点)だけではありません。それ以外の項目として代表的なものを以下にまとめます。
①学習の時間の記録(欠席日数)
まず欠席日数と欠席理由も記載されます。私立高校の推薦入試では欠席日数が多いと出願できないこともあるので、体調管理もしっかり行い健やかな中学校生活を送るよう心がけましょう。
②学級・生徒会・学校行事・部活動等について
クラス委員や運動会の応援団長、部活動の大会成績など、所属や役職、活動内容などが記載されます。
③行動の記録
挨拶をするなど基本的な生活態度はもちろん、積極性や協調性をもって学校生活を送れているかなど、学校生活の様子が短い文章で書き込まれます。
④総合所見
中学校生活全体について、先生の言葉で本人を評価する欄が最後にあります。
このように調査書でいちばん大切なのは成績ではありますが、それ以外の課外活動や普段の学校生活もしっかりと記載されることは押さえておきましょう。
都立高入試に調査書点(内申点)以外は影響する?
中学での部活や生徒会などの委員会活動、ボランティアなどの記載事項の扱いは、自治体によってかなり違ってきますが、都立高入試にはほとんど関係しない場合が多いです。
ただ、中学校生活のなかで欠席日数が多い場合は検討対象になることもあるので、公立高校志望の人も私立高校志望の人も、そういったマイナスをなるべく作らないことは大切です。
高校入試は中学3年間の成果
今回は調査書点(内申点)を中心にまとめていきましたが、中学3年生だけでなく、中1、中2のみなさんも日々の取り組みで高校入試の合否が変わってくるという意識のもと、しっかり学習を進めていきましょう!
後藤幸奈
【略歴】
個別ena校長を務め、中学受験では都立武蔵・三鷹・富士・立川国際・南多摩中、私立日大二中、明大中野八王子中、高校・大学受験では都立国立・立川・八王子東・国分寺高校、明治大学、法政大学、埼玉県立大学など多くの合格者を輩出。
高校時代は日本とアメリカで過ごし、ダブルディプロマを取得。
英語教育や帰国生入試を中心に幅広く受験や学習情報を発信していきます。