こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
高校受験や大学受験では、どの学校を受験するのかで悩むことがあると思います。中学受験との大きな違いは、義務教育ではないために進路選択も、選択肢が増えることで、より必要になってくるということです。そこで今回は来年以降に受験を控えている生徒の皆さんを対象に「進路選択」について一緒に考えていきたいと思います。
これまでも個別教師Campのブログでは、進路についての記事も書かせてもらっています。そちらもチェックしてみて下さい。
「近くの公立高校でいいや」ではない高校選びを。志望校の決め方とは?(22. 9/16)
【高校卒業後の進路は?】看護師になるには・看護師のお仕事(22 4/22)
【高校卒業後の進路は?】教師(教員)になるには・大学と教員免許とは(22 5/6)
【高校卒業後の進路は?】国際協力のお仕事とは・JICAのお仕事(22 5/17)
進路の選択は大切です!
受験を考えるとき、私たちはついその学校(高校や大学)のことだけを考えがちになります。しかし、義務教育ではない高等教育への進学を考えるときに必要なのは、その先、つまり就職も見据えた選び方が大事になってきます。その視点を持って選ばないと、進学した学部学科で学んだことが生かせないことにもなりかねません。
当然ですが、就職するため「だけ」の進学ではありません。その学問についての探求心で学部学科を選ぶのも大切なことです。さらに言えば、それが就職に直接結び付けば言うことは無いはずです。というわけで一緒に考えていきましょう。
高校の学科にはどんなものがあるのか
まずは高校受験で見ていきましょう。皆さんが住んでいる市区町村や、その近隣にある高校ですが、どんな学科があるかご存知ですか。
現在、全国の高校にある学科は、よく知られている「普通科」や「商業」「工業」「農業」などの専門学科(職業学科)、それから「総合学科」などがあります。これらは、工業科、商業科、農業科、水産科、家庭(家政)科、看護科、福祉科、情報科、複合的な学科、理数科、外国語科(英語など)、音楽科、美術科、体育科、国際関係、舞台表現、書道、観光・地域振興、人文科学、探究活動など全体で約20種類にも及ぶとされています。
高校受験を考えたとき、皆さんはこれら20以上の学科から選択することになります。さらに全日制と定時制や通信制といった分類もあります。
大学の学部・学科にはどんなものがあるか
では大学ではどうでしょう。主だったものだけでも「文学部」や「教育学部」、「法学部」、「理学部」、「工学部」など枚挙にいとまがないほどですね。ですがこのままだと分かりにくいので列挙してみます。文学部、教育学部、社会学部、人間科学部、心理学部、外国語学部、国際学部、法学部、経済学部、経営学部、商学部とここまでが文系学部です。さらに、理学部、工学部、情報学部、医学部、薬学部、歯学部、看護学部、保健学部、福祉学部、獣医学部、生物学部、農学部、栄養学部、家政学部、美術学部、体育学部、音楽学部とまあ28学部です。
しかしこれは大まかな分類です。ここに文科省所管外の大学校(防衛大学校や農業大学校など)を加えると大学数が760大学を数え、さらに学部(修学内容の重複あり)は2300学部にも上ります。となると必然的に学科数は約5200学科にもなるようです。
志望校選択、志望学科選択は難しい!?
これだけの学部・学科から自分に合ったところを探すとなると難しく感じられるかも知れません。しかし自分の適性を考えること、自分の将来就きたい職業を考えると自ずと絞られてくるものです。つまり自分が何を学びたいのか、何になりたいのかを明確にできればいいのです。
進路選択を具体的に
何を学びたいのか、何になりたいのかがはっきりと決まっている人は進路選択もかなりフォーカスできますね。では、まだそれらがはっきりと決められていない人はどうするかについて考えてみましょう。
具体的な選び方の指針は3つ
どこの学校がいいのか、どんな学部・学科がいいのかを迷っている人は次の3つを指針として考えてみて下さい。
①興味関心のある教科
②興味関心のある職業
③将来のビジョン
①興味関心のある教科
これは現在、学生生活を送る中でどんな教科が楽しく学べるかということですね。やはり、興味のないことは継続しにくいものです。これからの皆さんの学習において、どんなことなら頑張って取り組んでいけるかを考えてみて下さい。
②興味関心のある職業
将来、医師や看護師など医療系の仕事に就きたいと思う人、教員など教育関係の仕事に就きたい人と様々でしょう。その職業に就くためにはどういった進路選択があるのかを調べてみると大きなヒントになると思います。
③将来のビジョン
夢や理想だけでは生活できないこともあり得ます。その職業の平均収入がどんなものなのか。就職先はあるのか。例えば、小学生に人気の職業ランキングでもてはやされているYouTuberなどのネット配信ですが、それだけで生活ができる割合は、全世界で3%というデータがあります。しかもその3%という数字の中には、年収160万円程度の人も含まれているという事実があります。年収160万円というのは、単純計算で月額13万円ほどです。一般的に一人暮らしで必要な生活費は、平均16万円という国のデータ(「家計調査報告2019年 平均結果の概況」)がありますので赤字ですね。
つまりはこういった情報やデータを確認する必要もあるということです。理想が素晴らしく、崇高であっても生活ができないのではすぐに“夢やぶれ”てしまいます。現実的な視点を忘れた進路選択は危険ですらあるのです。
それでもまだ悩んでしまう人は
まずは身近なところから調べてみましょう。今やネット時代です。スマホでもPCでも「高校選び」「大学選び」などで検索すると無料で教えてくれるサイトは多いです。それも一つの手。または保護者様に性格や適性などを質問して、どういった分野が向いているかを聞き取りするのもいいでしょう。
そういった自分のこと(自己分析も)や身の回りの環境(どういった高校があるのか、そこの大学進学実績、就職実績など)を学校や塾で聞いたり、HPなどで調べることもできます。自分のことです。自ら調べ、模索してみましょう。たとえ保護者様であっても他人任せにすることだけはやめましょう。なぜか。
進学するのは皆さんです。保護者様ではありません。
就職するのは皆さんです。保護者様ではありません。
いろんなアドバイスを聞くことは大事ですが、最終的な結論は自分で出さないと、何かあったときに対処していくのは自分なのです。
進路選択は最終学年では遅い
例えば高校では、文系理系の選択は遅くとも高2で実施されます。その選択によっては、将来志望する大学受験が不利になることもあります。高校入試と違い、大学入試では入試科目が一様ではありません。それこそ学部学科で変わります。その時に受験で必要な教科を履修していないとなるとこれは大変なことです。ですから、成り行きとか、適当な選択ではなく、将来を見据えた文理選択、教科選択が必要です。受験教科の問題で志望大学や学部を変更することになると本末転倒です。いつも言っているようですが、やはり行動は早めにスタートしておくことです。「先んずれば人を制す」こともできます。
進路選択の幅を広げよう!
それでもまだはっきりとしない人へ。
焦る必要はありません。のんびりしすぎてもいけませんが。今は内申や評定をできるだけ上げておきましょう。そう、定期テストです。ここでしっかりと成績が取れていれば、結果として志望校選択の幅は広がります。教科の得手不得手をなくし、どの教科にも全力であたることです。総合的な実力があれば、文系でも理系でも勝負できるではありませんか。
そして、自分がやりたいことがまだ見つからない人へ。
心配しなくても大丈夫です。日々の中で必ず見つかります。そのために、学習も部活も習いごとも、毎日を精一杯過ごしてください。
疑問や質問などありましたら、どんなことでも結構ですのでお尋ね下さい。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。