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偏差値50ってどのくらい?偏差値の計算方法と気をつけるべき点

2022.12.02

おすすめ学習法

偏差値50ってどのくらい?偏差値の計算方法と気をつけるべき点

こんにちは、個別教師Campライターの西村です。大学受験(推薦)の結果も出始めている今日この頃です。

 

受験に臨むとき、志望校選択で参考にする数値は、「偏差値」ではないかと思います。しかし、偏差値のデータで一喜一憂するものの、それが何なのかをきちんと認識している割合は意外に低いようです。そこで今回は「偏差値とは何なのか」について書いていきます。

偏差値ってそもそも何?

受験を考えるときに、必ず登場する「偏差値」という言葉。通常は、その数値で志望校の合格判定や志望校選択に利用・活用できますから、敢えて正確に意味を把握しておかなければならないわけでもありません。しかし、その「偏差値の意味する内容」を把握しておかないと受験で失敗することもあり得ます。ということで確認していきましょう。

偏差値とは?

「偏差値」とは、あるテストを受けた母集団(受験生全体)の中で、受験者がどれくらいの位置にいるかを表す数値です。平均点を偏差値50になるようにして、その基準(平均点)からどれくらい高いか低いかを相対的に把握できる便利な数値のことです。

 

偏差値を求める公式は、

(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50

 

という式で求められます。

 

式の中の「標準偏差」とは、対象データ(ここでは受験者全員の得点)のバラつきの大きさを示す指標です。標準偏差が大きいほど、対象のデータに数値的な散らばりが多いことを表しています。つまり受験者の得点がバラけているということですね。逆に標準偏差が小さいと受験者の得点が1か所に集中している、実力伯仲しているということです。熱いです!!

 

では標準偏差はどのようにして求めるのか。その手順としては下記の通りです。

 

① データ全体の平均値を出す

② 偏差(各データから平均値を差し引いた値)を求める

③ ②で算出した偏差を2乗する

④ ③で出した偏差の合計を出す

⑤ 偏差の合計をデータの総数で割って分散を求める

⑥ ⑤で出した分散の正の平方根を求めて標準偏差を算出する

 

これでもなかなか煩雑です。例を用いて確認してみましょうか。

 

例えば下表を見て下さい。Aくん、Bくん、Eくんの3人は90点以上の得点です。よくがんばりましたね!一方、CくんとDくんは30点以下の得点でした、次回は頑張ってほしいものです。この場合、平均点は66.6点になります。

Aくん Bくん Cくん Dくん Eくん 得点合計 平均点
95 90 25 30 93 333 66.6

① データ全体の平均値を出す

平均値とは、上の表で見ると平均点となりますので、66.6

②~④ 偏差を求め、その2乗の合計を求める

2~4は表で見てみましょう。

得点 偏差 偏差の二乗
Aくん 95 28 (95-67) 784
Bくん 90 23 (90-67) 529
Cくん 25 -42 (25-67) 1764
Dくん 30 -37 (30-67) 1369
Eくん 93 26 (93-67) 676
5122

⑤ 偏差の合計をデータの総数で割って分散を求める

偏差の二乗をデータの総数(5人)で割るので、1024.4です。

⑥ ⑤で出した分散の正の平方根を求めて標準偏差を算出する

√1024.4≒32

 

この32という数値が5人が受けたテストの標準偏差となります。(フウ~おつかれさまです。)この数値を使うと5人の偏差値が出ます。

得点 偏差値の式 偏差値
Aくん 95 (95-67)÷32×10+50 59
Bくん 90 (90-67)÷32×10+50 57
Cくん 25 (25-67)÷32×10+50 37
Dくん 30 (30-67)÷32×10+50 38
Eくん 93 (93-67)÷32×10+50 58

標準偏差を出すのはとても大変な作業となります。第一、標準偏差は受験者全員の点数を把握しておかないと計算出来ないので、正確な偏差値を自分で求めるのは不可能に近いです。

平均点との違いは?

平均点とは、母集団(受験生全体)の点数を足して、人数で割ったものになります。

 

先ほどの表を使いまわしてみます。この場合、平均点は66.6点になります。もちろん全員の平均ですからこういう数字になります。しかし、66.6点という得点は誰も取っていない数値となるわけです。

Aくん Bくん Cくん Dくん Eくん 得点合計 平均点
95 90 25 30 93 333 66.6

この場合も確かに「平均より上だった」とかその逆も表すことが可能です。しかし得点のばらつきから見ると何とも言い難いというか、客観性に乏しくなります。そもそも平均点を取っている人が存在しないからですね。実際の試験でもこのようなことは起こりうるのです。定期テストではここまで極端な例は見られないことが多いですが。

 

受験生の中のごく一部が高得点で、それ以外の生徒が得点しにくい難問が集中したテストだと、ほとんどの人は点数が低いのに平均点がすごく上になったりするのです。つまり、平均点だけを見ていては、全体の自分の位置が分からないのです。そんな客観性を考慮した数値が偏差値になります。

客観的な数値を表せるのが偏差値なのです!

例えば、みんなが100点を取ったテストならば、確かにすごいでしょうが、喜びも半減するかも知れません。全員が100点ですから。偏差値は、テストの難しさが考慮されるものです。

偏差値は平均が50です

偏差値は平均を50としています。ということは平均点をとった人の偏差値が50です。ですから平均点より上の得点ならば偏差値は50以上となります。その逆で、平均点以下の得点なら偏差値は50を下回ります。

受験生全体の中での自分の位置がわかる

このように偏差値を使うと、母集団(受検生全体)の中での自分の客観的な学力がわかります。

偏差値の落とし穴!?

客観的な学力が分かる(把握)のが「偏差値」と言いましたが、舌の根も乾かぬうちに否定的で恐れ入ります。

 

偏差値は母集団(受験生全体)が同じでなければ比較できない

 

これです。

 

例えば、中学受験、高校受験、大学受験それぞれの偏差値であれ?っと思った経験がある人もいらっしゃるでしょう。それは、高校受験のように同じ学年の生徒がほぼ全員受験するものと違い、中学受験と大学受験では、母集団(受験生全体)の学力差が高校受験に比して圧倒的な差が生まれにくいというものに影響されるからです。ですから高校受験の偏差値を参考に、中学受験や大学受験を考えるとミスを犯しがちです。えらいことになってしまいます。

 

これも例を見てチェックしてみましょう。都立高校で、内申がオール3の生徒が受験する高校の偏差値が40だとします。大学進学率が30%だとします。これを大学受験で考えると、偏差値40というのは上位84%になります。下からは16%となります。中学校でオール3を取っていれば平均的だと思われますが、この成績の場合は大学受験のレベルで見ると下位層になります。具体的に言えば、国公立大学受験は非常に厳しい現実です。

偏差値で志望校選択していく際の注意

注意点として、中学、高校、大学の偏差値は、学校が公式に出しているものではありません。それぞれの塾であったり、予備校が算定して出しているのです。またその偏差値自体も合格率がどれくらいなのか、A判定なのかC判定なのかでも学習への影響は違って来ます。ですから偏差値を見ていく際もその点をよく確認していただきたいと思います。

偏差値をうまく活用して合格を目指しましょう!

このように偏差値にとらわれすぎず、かといって軽視せず、お子様たちの希望を叶えていただきたいと思います。一喜一憂せずにあくまで参考程度に!偏差値は絶対的な数字というものはなく、あくまで「ものさし」として捉えるようにしてくださいね!

 

疑問や質問などありましたら、どんなことでも結構ですのでお尋ね下さい。

【この記事を書いた人】
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。

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