こんにちは、個別教師Campライターの舟田です。突然ですが、皆さんは「仕事算」の解き方を覚えているでしょうか。仕事算は、文章題の中でもとくに苦手な人が多い分野と言われています。「仕事算」は、中学受験のどの難易度の中学でも出題される可能性があるので、しっかりとマスターしておきましょう!
「仕事算」って?
仕事算とは、ある仕事をするときの仕事の速さや時間などを求める計算です。すなわち、Aさんがある仕事をするとき
「Aさんの全体の仕事量」
=「Aさんの単位時間(1秒・1分・1時間・1日など)あたりの仕事量」×「Aさんが仕事をするのにかかった時間」
という式が常に成り立ちます。ところで、上の式である言葉が強調されているのに気づきましたか?
……「Aさん」という言葉ですね。仕事算が混乱しやすい理由の一つに、「誰の」仕事量を求めているかわからなくなるということがあります。例えば、AさんとBさんの2人が同じ仕事をする場合は、
「Aさんの仕事量」=「Bさんの仕事量」=「全体の仕事量」
となりますが、2人が別々の仕事をした場合、
「Aさんの仕事量」+「Bさんの仕事量」=「全体の仕事量」
となることがあります。
問題のパターンにもよりますので、誰の仕事量を求めているのかを意識して解いてみましょう。
実際に問題を解いてみよう!
まずは基本的な問題を解いてみましょう。
ある建物の壁をペンキで塗るとき、Aさんが1人で塗ると4時間、Bさんが1人で塗ると6時間かかります。2人が同時に仕事をし始めた場合、何時間で終わらせることができるでしょうか?
①わかっている情報を整理する
「2人で同時に仕事をする」とあるため、AさんとBさんがする仕事の内容は同じです。
そのため、
「全体の仕事量」=「Aさんの1時間あたりの仕事量」×4時間=「Bさんの1時間あたりの仕事量」×6時間
このままだと分からないものが3つあるため、AとBで共通している「全体の仕事量」をある数字で置き換えます。
②「全体の仕事量」を最小公倍数でおく
なぜ「かかった時間」の最小公倍数でおくのかというと、それぞれの1時間あたりの仕事量が簡単な数字になる方が計算しやすいからです。
最小公倍数は、2つの数字の共通の倍数で、かつ数字が最も小さいものでしたね。
ということは、最小公倍数で2つの数字は必ず割り切れるということになります。
この問題では、「かかった時間」は4時間と6時間のため「全体の仕事量」を最小公倍数の12に設定します。最初に紹介した公式を使うと、
「Aさんの1時間あたりの仕事量」=12÷4=3
「Bさんの1時間あたりの仕事量」=12÷6=2
となります。
2人で同時に仕事をするときの「かかった時間」は、
「全体の仕事量」÷「AとBの合計の仕事量」
=12÷(3+2)
=2.4時間
=144分
=2時間24分
と求められました!
実際に問題を解いてみよう! 別解
先ほど、「全体の仕事量」を「かかった時間」の最小公倍数に設定しましたが、
1と設定しても解くことができます。
「Aさんの1時間あたりの仕事量」=1÷4=1/4
「Bさんの1時間あたりの仕事量」=1÷6=1/6
となるため、2人で同時に仕事をするときの「かかった時間」は、
「全体の仕事量」÷「AとBの合計の仕事量」
=1÷(1/4+1/6)
=1÷(5/12)
=12/5
=2.4時間
=2時間24分
と求められます。どちらの方法でも正しい答えが導けますが、初めて仕事算を学ぶ方は最小公倍数に設定する方がやりやすいかと思います。
【算数】仕事算とは?しくみを学ぼう! まとめ
今回は、仕事算について紹介いたしました。中学受験の算数は、暗記ではなかなか解けないものも多いので、ぜひしくみを理解して解けるようになりましょう!
舟田
【略歴】
幼少期から公文や様々な個別指導塾・大手予備校に通った経験があり、難関私立大学に合格。大学では経営・経済分野を専攻し、そのかたわら大手個別指導塾で講師として指導。現在は家庭教師Campスタッフとして、家庭教師Campの運営に携わる。自身の中学・大学受験や通塾経験・指導経験を活かし、みなさんに有益な情報を発信します。