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【中学・地理】気候区分について学ぼう!

2023.07.25

おすすめ学習法

こんにちは。個別教師Campライターの瀧本です。

毎日暑いですよね~。街なかで、顔に当てている涼しげな小型扇風機を見かけるたびに(ちょっとほしいな……)と思う今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

夏だから暑いのは当然ですけれども、しかしこの7月でも他の地域は涼しいところがあるのかな~とか、逆にもっと暑い場所はどこかな~とか想像してみると、なんだかこの暑さも滅却できそうな気がしませんか??

というわけで、今日は地理の勉強で、気候区分についておさらいしてみましょうか。

一応中学地理と言っていますが、小学~高校生までご覧いただける内容になっているかと思います。

では早速参りましょう♪

 

気候区分を体系的に学ぼう

温帯や熱帯に始まり、寒いところは寒帯や冷帯があるということはわかりますが、

そこからさらに細かく区分されていくと、ごちゃごちゃになってわからなくなってしまうことはありませんか?

 

そこで今回は、気候区分を体系的に学んで、細かい区分も理解していきましょう

 

「気候区分」はどうやってできたのか

まずは、気候区分がどのように生まれたのかを見ていきましょう。

中学校で習うような気候区分というのは、ドイツ人の気候学者であるケッペンが考案した、

ケッペンの気候区分」です。これは一般的に最も使われているものです。

 

ケッペンは気候を区分する際に、その場所の「植生」(しょくせい)といわれる植物の状況に注目しました。

北緯の違う2地点を行き来すると、生育している植物が徐々に変化していることに気づき、

植生に関わる大きな要因として、「気温」と「降水量」に注目して、気候区分を考えるようになります。

初めに、地球上の気候を2つに大別しました。

樹木が育つ「樹林気候」と樹木が育たない「無樹林気候」です。「樹林気候」と「無樹林気候」の分け目である降水量を「乾燥限界」といいます。

樹林気候」は、「気温」で分けられ、ヤシが生育できる「熱帯気候」、マツが生育する「冷帯気候」、熱帯気候と冷帯気候の間である「温帯気候」があります。

無樹林気候」には、寒さにより樹木が育たない「寒帯気候」と、乾燥により樹木が育たない「乾燥帯気候」があります。

=>つまり、地球には5つの気候帯に大別されています。

 

これら、5つの気候帯を低緯度順に並べると、

熱帯乾燥帯温帯冷帯寒帯 と赤道からみることができます。

赤道を中心に、北極や南極に向かうにつれて、気候帯がその順番に変化していきます。

そして、熱帯はA、乾燥帯はB、温帯はC、冷帯はD、寒帯はEというようにアルファベットを振ります。

ちなみにこれはアルファベット順であるだけで、由来はありません。

5つの気候帯をさらに分けていくと……

次に5つの気候帯をさらに細分化していきます。

樹林気候である熱帯、温帯、冷帯の降水量について注目します

冬に乾燥し降水量が少ないもの「w」、夏に乾燥し降水量が少ない「s」、1年間降水量が変化せず、湿潤である「f」と分けます。

そして、熱帯において、強い乾季「w」と弱い乾季「m」と分けます。

これらのアルファベットには由来があります。

「w」についてはwinter(冬)に乾燥する。

「s」はsommer(英でsummer)に乾燥する。

「f」はfeutchで一年間湿潤であることを指します。

覚え方としては、full time(ずっと雨が降っている)と理解すればいいと思います。

「m」はmittelformで中間を意味し、「w」と「s」の間であると覚えることができます。

ケッペンがドイツ人なので、ドイツ語が入っていますが、このように理解すれば覚えられると思います。

=>熱帯気候を「A」とし、熱帯雨林気候を「Af」、熱帯モンスーン気候を「Am」、

サバナ気候を「Aw」で表します。

=>冷帯気候を「D」とし、冷帯湿潤気候を「Df」、冷帯冬期少雨気候を「Dw」と

表わします。

 

温帯気候は、先ほど見た降水量に注目した冬に乾燥したり、夏に乾燥したりする以外に、一年間湿潤である部分にも区別があります。

それは、最も暖かい月の平均気温が22℃以上である「温暖湿潤気候」と、最も暖かい月の平均気温が22℃に満たない「西岸海洋性気候」です。

22℃以上である場合を「a」、22℃に満たない場合を「b」としています。

=>温帯気候を「C」とし、地中海性気候を「Cs」、温暖冬期少雨気候を「Cw」、

温暖湿潤気候を「Cfa」、西岸海洋性気候を「Cfb」と表わします。

 

無樹林気候では、乾燥帯気候寒帯気候があります。

まずは、乾燥帯気候です。

極度に乾燥し、降水量が乾燥限界の半分に満たない「砂漠気候」を「W」で表し、降水量が乾燥限界の半分よりもあるが、乾燥限界よりは少ない(木は育たないが、草は生えるほどの雨は降る)「ステップ気候」を「S」で表します。

「W」の由来はドイツ語で砂漠を意味するWüsteの頭文字です。「S」はドイツ語で大草原を意味するSteppenの頭文字です。

=>乾燥帯気候を「B」とし、砂漠気候を「BW」、ステップ気候を「BS」と表わします。

 

続いて、寒帯気候です。

最も暖かい月の平均気温が0℃に満たない、極度に寒冷である「氷雪気候」を「F」で表し、最も暖かい月の平均気温が0℃以上10℃未満である「ツンドラ気候」を「T」で表します。「F」の由来は、ドイツ語や英語で霜や寒気を意味するFrostの頭文字です。「T」は、ドイツ語で凍土や凍原を意味するTundraの頭文字です。

=>寒帯気候を「E」とし、氷雪気候を「EF」、ツンドラ気候を「ET」と表わします。

 

以上の13が基本的な気候区分の分類になります。

 

ここまでのポイントをふりかえると……

ポイントをまとめると、次のようになります。

樹木が育つかどうかで、「樹林気候」と「無樹林気候」に分けられます。

②樹林気候を気温で分類すると、「熱帯気候」、「温帯気候」、「冷帯気候」に分けられます。無樹林気候は「乾燥帯気候」と「寒帯気候」に分けられます。

ここまでで5つの大きな区分ができます。

 

③熱帯、乾燥帯、冷帯、温帯のそれぞれを降水量で分類すると、

熱帯は「熱帯雨林気候」、「熱帯モンスーン気候」、「サバナ気候」

乾燥帯は「砂漠気候」、「ステップ気候」

冷帯は「冷帯湿潤気候」「冷帯冬期少雨気候」

温帯は「地中海性気候」、「温暖冬期少雨気候」に加え、1年中湿潤であるところの

平均気温に注目して「温暖湿潤気候」、「西岸海洋性気候」と分けられます。

寒帯は、最暖月の平均気温に注目して「ツンドラ気候」、「氷雪気候」に分けられます。

 

①~③の段階で気候を2→5→13というように分類できます。

 

これら13の気候区分のほかに、高山気候と呼ばれる気候区分があります。

ケッペンが注目した「気温」や「降水量」に加え、「標高」にも注目したものです。

標高が高くなると、同じ緯度上の気候の特徴を持ちつつ、気温が下がる特徴があります。

高山気候はアルファベットで表すと「H」となります。これは英語のHighから来ているとされています。

 

【中学・地理】気候区分について学ぼう! ◎まとめ

高山気候を含めた14の気候区分の仕方を学んでいきました。たくさんあり、複雑に思えた気候区分を体系的に学ぶことで、頭で理解することで暗記しやすくなったと思います。

 

ただ用語を暗記するのではなく、その用語が出てきた背景を知ることで、知識がより定着しやすいと思います。

これは他の分野や科目についても言えることなので、ぜひ活用してください。

初めての方へ

 

【この記事を書いた人】
瀧本
【略歴】
私立大学大学院修了(哲学)。大学院在籍時よりパリ第七大学に留学、帰国後仏語通訳ガイドをしつつ塾講師、家庭教師、通信制高校非常勤講師を務める。
大学院終了後個別指導塾校長を経て個別ena校長に。中学・高校・大学入試を幅広くフォローし、
これまで難関私立中、三鷹中、立川国際中など都立中高一貫校、都立高校の指導重点校や大学附属私立高、GMARCH・
早慶上智などへの合格者多数輩出。また、15年以上の指導歴をふまえ、様々な理由から成績不振に陥ってしまった生徒や、
不登校生徒をもつ家庭へ包括的なアドバイスも行う。指導のモットーは「遊んで学べ、学んで遊べ」。
個人の主張と対話を育てる小論文指導を得意とする。
こちらのブログには学習・進学に役立つ情報だけでなく、ちょっとした息抜きになるような雑学コラムも載せていきます。

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