こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
12月に入り、高校でも期末テストの時期です。
テスト勉強をしている生徒たちにも古文の学習に勤しむ姿もよく見られます。
今回は「古典」の中でも学校でも学ぶ『和歌』について一緒に見てみましょう。
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2023.12.08
おすすめ学習法
こんにちは、個別教師Campライターの西村です。
12月に入り、高校でも期末テストの時期です。
テスト勉強をしている生徒たちにも古文の学習に勤しむ姿もよく見られます。
今回は「古典」の中でも学校でも学ぶ『和歌』について一緒に見てみましょう。
古文の学習をしている生徒たちと話すと必ずと言っていいほど
返ってくる言葉があります。
「何を言っているのか分からない…」
古文の学習は、中1から始まります。しかし、中学では“古文の文章に触れる”という程度で
文法的な内容は非常に少ないですよね。
古文単語と“係り結びの法則”程度です。
しかしこれが高校になると大きく変わってきます。
単語レベルで品詞の役割を理解し、古文の解釈をしていくようになります。
必然的に古文の文法を学ぶ、覚えるという学習活動が入ってきて皆さんを悩ませます。
物語文学については後に譲るとして、まずは一番なじみがある「和歌」から始めましょう。
そもそも和歌(わか)とは何か。
一般的には『五・七・五・七・七』の五句三十一音からなる定型詩です。
「和歌」を訓読みで「やまとうた」と呼ぶこともあります。
「和歌」と呼ばれるものはこれも一般的には
『長歌』(五七、五七、…、五七、七の形式で、すなわち五七を三回以上繰り返し、最後に七音を加える)と
『短歌』を合わせて和歌と分類されます。
「短歌」と形式は同じですが、 明治時代以降のものは「短歌」と呼ばれます。
さてさて、「和歌」の辞書的な意味は上記程度にして、表現としての「和歌」とはどんなものだったのかについてみてみましょう。
平安時代、国家の立て直しという大きな課題を抱えていたと言われています。
そのような状況で『古今和歌集』の序文(仮名序)には、
「(和歌は)天地の神々を動かし人の道にも影響を与える(効果がある)」
と記されていて、和歌が持つ影響や効果としては文学としてだけでなく政治的な意図もあったと考えられます。
この『古今和歌集』の「仮名序」については中3の国語の教科書にも掲載されていますね。
平安時代後期にあたる院政の頃になると、和歌の政治的な役割は更に明確になったと言われます。
宮廷では特定の家(藤原家など)が世襲制で特定の職(官位)につくシステムが取り入れられました。
有名な藤原定家も和歌の作法・技術を伝えながら国に奉仕したのです。和歌に政治的役割もあったということです。
現代では直接会って告白するとか、SNSを利用してなども可能ですが、
当時は今ほど簡単に会うことができなかったため和歌を贈っていました。
当時の男性は和歌の中に想いをしたためるだけでなく、染めた和紙を使用したり、
香りをつけたりとさまざまな工夫を凝らすマメな努力で女性を喜ばせていたようです。
もちろんプロポーズも和歌を使ったりしますので、
和歌を(上手に)詠めることが必須でもあったのですね。
「和歌」は三十一文字で表されることから、SNSと似たようなものと認識される向きもあります。
確かに「和歌」の使われ方からするとそういった側面もありますね。
例えばTwitterなら140文字という制限のある字数で日常のあれこれをつぶやき、日常において感じた様々な心情も表せます。
そして「和歌」における「返歌」は、Twitterにおけるリプライのようなもので、
「本歌取り」は引用リツイート、「歌枕」はハッシュタグといったところでしょうか。
ネットなどを見ると、
「万葉集はバズりツイート一覧だったのかぁ!!」
とか
「百人一首も半分以上、恋愛のポエムで本人たち今みたら黒歴史なんじゃないかな。」
とかいろんな見方もできて、皆さんにとってもより身近に感じられるのではないでしょうか。
更に更に
「連歌というクソリプ合戦があったらしい」という秀逸なコメントまで。
皆さんもご存知のように、「Twitter」は名称が「X」に変わりましたね。
この出来事に際して、現代の歌人である俵万智さんのツイートが今夏話題になったようです。
イーロン・マスク氏が「私たちはツイッターブランドと青い鳥に別れを告げる」と
投稿した7月23日(日本時間24日)、俵万智さんは次の短歌2首を(Twitterに)投稿したようです。
「言の葉を ついと咥(くわ)えて 飛んでゆく 小さき青き鳥を忘れず」
「このままで いいのに異論は 届かない マスクの下に唇をかむ」
投稿の文末には「寂しいね…」の言葉を添えたとのこと。
「和歌」(ここでは短歌)は三十一文字ですが、その表現は無限と言ってもいいほどです。素晴らしいですね。
さて、今回は「古典」の中でも「和歌」にスポットを当てて見ました。
今回もありがとうございました。また次回お会いしましょう。