個別教師Campブログ

個別教師Campイメージ
個別教師Camp 個別教師Campブログ

個別教師Camp事務局が更新しているブログをご覧いただけます。

事務局からコースのご案内だけでなく、勉強法やイベント情報を掲載しております。

家族で考える「ゲームと勉強」「ゲーム障害と上手な付き合い方」

2022.09.09

おすすめ学習法

家族で考える「ゲームと勉強」「ゲーム障害と上手な付き合い方」

こんにちは、個別教師Campライターの西村です。9月に入り、2学期も始まりました。早速、夏休み明けテストが実施された中学高校も多いのではないでしょうか。

 

夏休み中のブログでも述べてきたように、2学期の学習は受験学年かどうかにかかわらず、とても重要な事項を学習します。

※リンク(下記より過去記事をご覧いただけます)

◇8/23記事「夏休みのまとめと9月以降の勉強の重要性について(中高生向け)」

◇8/26記事「夏休みのまとめと2学期の学習(小学生向け)」

 

学習習慣とその継続はどの学年でも必須なのだということを覚えておいて下さい。そこで今回は、「ゲーム」について書いてみたいと思います。

お子さんを取り巻くゲームという存在

インターネットの身近さについて

まずはお子さんたちを取り巻くゲームについて書く前に、昨今のゲームがインターネットを介したオンラインゲームが多いということを踏まえて、インターネットに関するデータをチェックしてみます。

 

総務省が実施した調査(「令和3年度版 情報通信白書」総務省)による「情報通信機器の世帯保有率(複数回答による)」(データ期間2009~2020年)によると、携帯電話やスマートフォンなどのモバイル端末の保有率は9割超となっています(左下のグラフ参照)。

 

これは皆さんの身の回りを見ていただいてもある意味納得いただける状況でしょう。さらに「インターネット利用端末の種類(2020年)」(右下のグラフ参照)でみると「家庭用ゲーム機」での利用は2割弱です。ここでは利用年齢については記載がないので一概には言えませんが。

令和3年度版 情報通信白書 第1章第1節国民生活におけるデジタル活用の現状と課題 図表1-1-1-1,1-1-1-2

出典:「令和3年度版 情報通信白書 第1章 第1節国民生活におけるデジタル活用の現状と課題」

インターネットの利用について言えば、すでに周知の事実でもありますが、お子さんたちにとっては非常に身近、“ごく当たり前”の環境であるということです。

ゲームについて

インターネットが身近になって便利というのは、大人にとっては魅力的なメリットですが、それは当然お子さんたちにとっても魅力的なものでもあるわけですね。このブログを読んでいただいている保護者の方は、幼少期からすでにご家庭にゲーム機があって、ご自身もゲームをやってきた方が多いと思います。

 

私たちが目にする現在のゲームはその種類の多さもですが、画質やデータ量もケタ違いです。実写さながらの画質には感心しきりです。またストーリー性もあり、決して“こどもだまし”ではないのです。それは、お子さんたちにとっても魅力的なコンテンツであるということ。大人目線、保護者目線で、弊害という点で言えば、これほど害悪なものはないでしょう。

 

なぜか、言わずもがなですが、面白いからです。またオンラインであれば、友達の都合が悪くても、一人でもできれば、オンラインで一緒にプレイするメンバーはいくらでもいるからです。当然ながら、ゲームプレイ時間は長時間になりやすいというのが現実です。

 

では次にゲームプレイ時間のデータを見てみましょう。令和元年に国立病院機構久里浜医療センターが実施したアンケート結果です。

※このデータは厚労省の基礎資料として使用されることを前提に実施されたアンケート結果です。

 

これによると、まず過去12か月間でゲームをした割合は、男女合計で85.0%(男性92.6%、女性77.4%)となっています。また利用時間(ゲームプレイ時間)は、平日の一日で最も割合が高かったのは、男性で「1時間以上2時間未満」で30.4%、女性では「1時間未満」が57.1%となっています。しかし、次に多いのが男性で「3時間以上」24.6%、女性で「1時間以上2時間未満」23.1%となっています。

ゲーム利用時間について

国立病院機構久里浜医療センター 令和元年実施「ネット・ゲーム使用と生活習慣についてのアンケート結果(概要)」をもとに作成

 

では、「オンラインゲーム」について見てみましょう。

上記アンケート結果から分かるのは、

・使用する機器は「スマートフォン」が男女で80.7%とトップです。

・ゲームをする場所では「自宅」が男女で97.6%。

・ゲームは主にオンラインだという割合は、48.1%

・誰と遊ぶかと言う質問では、89.1%が「一人で」とのことです。ついで「現実の友人」、

「家族」ときて「ネット上の友人」(11.9%)、「ネット上の見知らぬ人」(11.7%)となっています。

ゲームの影響

ゲームは当然ながら面白いもの。ですからつい、いつまでも遊びたくなります。ここではその影響について調べてみましょう。

「ゲーム障害」について

まずは弊害について確認しておきます。WHO(世界保健機構)では、2018年に新しい依存症として追加。翌2019年に正式承認された「ゲーム障害」。これは疾病として国際機関が認定した事実です。この「ゲーム障害」には以下の3点が特徴とされます。

①ゲームの時間や頻度などを自分でコントロールできない。

②日常の生活や日々の活動よりもゲームを優先させてしまう。

③家庭、学校、職場などの日常生活、人間関係、健康状態に問題が起きてもゲームをやめられない。

WHOによるとこれらの症状が12か月以上続く場合は「ゲーム障害」と言えるようです。

 

問題点としては、

①生活が乱れ、朝起きられない

②昼夜逆転の生活になる

③十分な食事を摂らない

④使用を制限され暴力的になる

⑤ゲームに高額な課金をしてしまう

といったものが代表的な弊害です。

 

「ゲーム障害」について詳しくは、下記にリンクを貼っています。

◇「『ゲーム障害』について」 独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター

◇「インターネット・ゲ一ム障害 (Internet Gaming Disorder, IGD)」 神戸大学大学院 医学研究科

ゲームの利点

ここまで読み進めてくると“ゲーム = 害悪”の印象が皆さんの心を埋め尽くしていることでしょう。確かに“弊害”として見たときには計り知れないダメージだと思います。

 

しかし短絡的にゲームを悪とみなすのはいかがなものかという気持ちも生じてきます。例えば、数あるゲームには、教育面でも非常に評価の高いものもあります。その一つに小学生を中心に人気を博した「マインクラフト(MineCraft)」があります。

 

このゲーム、皆さんもよくご存じの方も多いことと思います。サンドボックスゲームと呼ばれるジャンルで、ボクセル(ブロック)で表現された土や岩、木や鉱石などを加工したり、組み合わせて遊ぶものです。プレイヤーは、一つのワールドで何もない状態から、食料を調達したり、家を作ったりしてサバイバル生活を楽しむこともできれば、無限に使えるボクセルで建物やアート作品も作れたりします。

 

この「マインクラフト(MineCraft)」は、プログラミング学習の教材としても使われています。その教育的な利点として挙げられるのは、

・仮想現実の世界を自分の判断とやり方で自由に構築できる点。

・現実には難しい“自給自足の世界”を疑似体験できる点。

・積み木のように自由自在に、しかも多くの素材を無限に利用して自分の作りたいもの作られる点。

こういったメリットがあります。

実際にこのゲームは総務省がプログラミング的思考学習のモデルとして活用した実績もあります。

 

他にも「あつまれどうぶつの森」は、自然の中、かわいらしい動物たちのキャラクターがいて、ほのぼのしたゲームですが、魚釣りをしたり、昆虫採集できたり、またそれらを換金もできます。家を建てる時にはローンを組んだり、“カブ”で株式の勉強もできたりするというなかなかリアリティのあるものです。

ゲームとの付き合い方を子どもと一緒に考える

世の中にある便利で楽しいものは、押しなべて長短それぞれの面をもっています。要はそれをどのように子どもたちに伝えるかということなのだと思います。

 

弊害だけを見ると、ゲームは与えない方がいいと思います。しかし、ほとんどの保護者の方は、ゲームの楽しさもご存知のはずです。一方的に禁止するだけではなく、ルールを一緒に考えてみてはどうでしょうか。

 

そしてできれば、保護者の皆様も、子どもたちが楽しいと感じているゲームの世界を体験してみてください。それは“子どもの目線に下りてみる”ことでもあります。その際は“ミイラ取りが…”にならないことをお祈り申し上げます。また、信長の「楽市楽座」よろしく「楽ゲーム楽ネット」で開放しすぎないことも併せてお祈りしております。

 

保護者目線で言えば、どうしても厄介者でもあるゲーム、だからと言って頭ごなしに制限するのでは、子どもたちは納得いかないことも多いでしょう。納得してもらうためにも、ご家族で話し合ってそれぞれのご家庭で「ゲームとの付き合い方」を考えて見てはいかがでしょうか。子どもたちが納得できる“ネット並びにゲーム諸法度”を制定されることを応援させてもらいます。

 

個別教師Campのコース案内はここから

無料体験も受講できます!疑問や質問などありましたら、どんなことでも結構ですのでお尋ね下さい。

【この記事を書いた人】
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。

お問い合わせ

ご不明な点などございましたら、個別教師Camp事務局へお気軽にお問い合わせください。

電話番号

0120-251-511

(受付:日曜・祝日をのぞく15:00~21:00)