こんにちは、個別教師Campライターの西村です。先週2/2に都立高推薦入試の合格発表がありました。そこで今回は2023年度都立高の推薦入試の総括として書いていきます。
◇「都立高推薦入試」については↓過去記事(下記リンク)からどうぞ↓
「なぜ調査書点(内申点)が大事なの?高校入試の仕組みとは」(2022.05.31)
「『近くの公立高校でいいや』ではない高校選びを。志望校の決め方とは?」(2022.09.16)
「【都立高校の推薦対策】自己PRカードの書き方」(2022.12.16)
「都立高推薦入試、直前! 気を付けるべき点について」(2023.01.20)
2023年度都立高推薦の応募状況
2023年度の応募状況から確認してみましょう。
都教委発表によると、「推薦に基づく選抜」の全日制(全体)の募集は9,372人(前年度は9,175人)となっています。これに対して、応募は23,176人(前年度は23,282人)で、応募倍率は2.47倍(前年は2.54倍、前々年は2.78倍)となっています。推薦選抜の応募倍率は前年度よりも低下しました。
更に学科で見ていくと、普通科合計の募集は6,182人(前年は5,991人)に対し、応募は17,748人(前年度は17,753人、前々年度18,507人)で、応募倍率は2.87倍(前年度は2.96倍、前々年度は3.18倍)でした。
令和5年度東京都立高等学校入学者選抜応募状況(推薦応募) 東京都教育委員会HP
全日制全体の応募倍率は、平成7年度以降で最低となった昨年よりも更に下がっています。
都立高推薦入試全体の結果
さてここからは、推薦入試の結果を踏まえて書いていきます。
全体の概要
都教委発表より全日制・定時制合わせた合格者数は9,180人、全受検者に対する合格率は39.7%となり、前年(39.2%)より若干ですが緩和されたようです。普通科で見ると、まず男女別募集の男子では38.0%(前年度37.4%)、女子では31.5%(同31.1%)とこちらも緩和傾向、単位制普通科では35.4%(同32.6%)と合格率のアップが見られます。
一方、コース制では49.0%となり、前年(39.2%)から大幅に上がっています。
専門学科は工業科72.8%(前年67.4%)、産業科62.5%(同50.4%)等、合格率増となった学科が多く、専門学科全体では60.4%(同58.7%)となっています。
実施2年目の立川(創造理数)の理数等特別推薦は,募集人員8人に、12人が受検し、合格者は5人と定員を満たしませんでした。文化・スポーツ等特別推薦の応募者に対する合格率は43.7%で前年度(43.3%)よりやや上がりました。
個別教師Camp「都立高推薦入試対策講座」(東京都)の結果
私たち個別教師Campでも本年度「都立高推薦対策講座」を実施しました。
東京都立高推薦の受検者結果から見ると、約20名の受験生のみなさんにご受講いただきました。その結果、9名の方が志望校合格を勝ち取ってくれています。
合格実績では、
〔進学指導重点校〕→都立日比谷高校、都立八王子東高校
〔進学指導特別推進校〕→都立国分寺高校
〔進学指導推進校〕→都立調布北高校、都立昭和高校
更に、都立若葉総合高校、都立科学技術高校、都立第五商業高校、都立大島海洋国際高校となっています。
合格された皆さん、本当におめでとうございます。これまでの練習の成果を本番で遺憾なく発揮できた、みなさんの努力の成果です。偉峰、今回合格に導いてあげられなかった皆さんについては大変申し訳ありませんでした。しかし、今回の推薦入試対策を通じて練習してきた作文・小論文対策は、国語の記述問題や全教科共通しての誤字脱字のチェックなどに間違いなく活きます。一般入試で挽回し、志望校合格を勝ち取ってくださることを心より願っています。
来年度の推薦入試に向けた対策は?
来年の受験生に対してのアドバイスは次のようになります。
内申点対策をしっかりと取り組んでいきましょう
もちろんこれは、定期テスト対策であり、授業態度(主体的な姿勢)であり、小テストや提出物への取り組みです。推薦入試で学力検査がないということは、調査書のみで判断されるということです。つまり、普段の取り組みは願書を提出した段階で評価の俎上に上るということです。
事実、内申点が過去の合格者等の平均データより下の場合には、苦戦が予想されます。その分を小論文・作文や面接の出来でカバーすることになりますので、できる限り有利な状況に持ち込めるよう、志望校がどこであれ内申点を高めることは重要です。
作文・小論文対策
こちらは苦手とする人が多いかもしれません。しかし、基本的な取り組みは
①何が聞かれて(問われて)いるのかを把握する
②何を、どのように書くかを「書き出す前に」構想する
③できれば「書く」経験を意識的に増やす
ということです。例えば情報や知識については、普段からニュースを見たり読んだりすることを習慣にする。表現については、読書量を増やすことが一番ですが、特に「意見文」についてどのように書かれているかを確認しておくことが必要になります。
自分でできるチェックとしては、新聞でもインターネットでもよく見聞きする“ワード”に対してどれくらい説明ができるか。そういった点を確認してみるといいでしょう。
学習習慣の確立が全てのカギです!
計画的な学習習慣と体調管理が受験対策です。受験対策は、受験学年のみではないことを念頭に、早めのスタートを切って下さい。とくに、内申点についてはこの学年末試験から上げておくことが肝心です。
みなさんの日々の学習を応援しています。勉強でお困りのことがありましたら、ぜひご相談くださいませ。
西村 仁志
【略歴】
公立大学文学部卒業。学生時代は家庭教師。卒業後は公立学校教員として勤務。
その後、塾講師として20年以上経験あり。現在は個別ena河辺校長。
都立立川国際中、私立明大中野八王子中などに合格実績を出し、高校・大学受験においても都立八王子東・国分寺高校や明治大学、法政大学などGMARCH合格者を輩出。
これまでの経験を踏まえ役に立つ情報を楽しく発信していきます。